「秘密」-1
「かったるい授業―。もう嫌になっちゃうね。」3限目の古文が終わり、後ろの席の美咲の机に頬杖を付きながら言った。寺内李衣、私立高校に通う3年生17才、嫌いな物古文、好きな物たくさん。「本当、古文て頭痛がするよね。でも次の4限桜井の数学じゃん。数学も嫌いだけど、かっこいい先生だとやる気になるよね。」李衣の1番の親友須藤美咲は桜井先生がお気に入りらしい。数学教師桜井圭斗、24才。身長高くて整った顔立ち、クールな性格で女子に大人気。男子にとは言うとこれも大人気で話せる兄貴と言う感じ。桜井圭斗と寺内李衣は数ヶ月前から関係を持っていた。このことは誰にも秘密なんだけどね。
キーンコーン、カーンコーン。4限が始まった。桜井が教壇に立つとなんだか変な感じ、私とは違う世界の男の人みたい。私はクラスの生徒の一人、何も知らない顔をして授業を受けて、ノートをとる。ワイワイした桜井の数学の授業はみんなが楽しみにしている、みんなハッピーなのに私は最悪、桜井との距離を感じて憂鬱なんだ。
「あーあ、しかたないよね。」私はいつも自分を励まして、数学の授業を受ける。
キーンコーン、カーンコーン。苦痛の数学が終わった。そしていつものように桜井は、数名の女子に囲まれて出ていく。
「おい、桜井圭斗。ちょっとは振り返れ。」李衣は心の声を桜井の背中に向けて叫んだ。
「ねぇ、李衣。桜井行っちゃったね、今日もすてきだったー、やっぱいい男見ると今日一日幸せよね。」美咲はため息を付いて言った。
「何言ってんの、美咲。美咲最近彼できたじゃん、しかも1組の安間君かっこいいし狙っていた子多いって噂だよ。大事にしないと他の女の子に取られちゃうから。」
「冗談よ、私が好きなのは安間君一人。それより、李衣こそどうなの?彼は?もう高校3年だよ彼位作りなよ。」
「そうだな、私もいい男いたらね。」
ごめん美咲、本当のこと言えなくて。心の中で美咲に謝った。
「圭斗お帰り、遅かったね。」開いた玄関ドアに向かって声を掛けた。
「李衣、来てたんだ?もう遅いよ、早く家帰んないと、お家の人心配するよ。」
「もう、子供扱いして。今日は金曜日だし、塾の帰り美咲ん家泊まるって言ってきてあるの、だから今日は帰らないっ。」
「おいおい、須藤も悪い友達持ったな。」圭斗は優しい笑顔でそう言って李衣を後ろから抱きしめた。李衣は、圭斗に抱きしめられるたびに自分が女の子だって実感を噛みしめられた。圭斗の唇が李衣の首筋に触れた、その瞬間李衣の体にビリビリとした電気が流れた。
李衣を抱きしめていた圭斗の右手は、李衣のセーラー服上着の裾からするりと入っていた
大きい手の平で李衣の柔らかな胸は包まれ、優しく揉まれた。
「あっ、ふぅっ」李衣の声が静かな部屋に響く。
「李衣可愛いよ。もっと感じて。」李衣は首筋のキスと優しく揉まれている胸だけで充分に感じてしまい、立っていられないほどだった。
「ああんっ、圭斗・・・。だめ・・・。イヤ・・・あっん」
「李衣・・李衣・・・」圭斗の手はブラを押し上げ、李衣の乳首を弄んだ。
「あふっ、圭斗もうだめ・・・」李衣は自分の手で、圭斗の手を上から押さえ、動きを止めた。
「どうした李衣?嫌なのか?」悲しい声で圭斗は聞く。
「違うの。あのね、今日圭斗の為に夕飯作ったの。温かいうちに一緒に食べたなって思って。だから・・・圭斗に抱きしめられるの好きだけど・・・」
李衣は恥ずかしそうにうつむきながら言った。
「李衣、好きだよ。ありがとう。一緒に食べようか。」
そう言って圭斗は李衣のブラと制服をきちんとただしてあげ、髪を撫でて頬にキスをした。
「李衣は最近料理上手になったな。おいしいよ、いつでも良い奥さんになれるな。」
圭斗は李衣の作ったハンバーグをおいしそうにほおばり、ご飯をおかわりした。
「ありがとう。おいしそうに食べてくれてうれしいよ。」
李衣はいつでも良いお嫁さんになれるじゃなくて、いつでもいいから圭斗のお嫁さんになりたな、そう心の中で思っていた。
食事を済ませ、圭斗はシャワーを浴びに行った。
後かたづけをし、李衣はソファーに座り一息ついていた。そして広いワンルームの隅にあるベッドを見ながら思った。
「今日、帰れって言われなくて良かった。圭斗の部屋にお泊まり初めてだな・・・。」
朝まで一緒にいられて嬉しい気持ちと、美咲の家に泊まると言って嘘を付いた後ろめたい気持ちがごちゃ混ぜになったが、確かなのは圭斗が好きって気持ちだった。
カチャ。バスルームのドアが開き、腰にバスタオルを巻いただけの圭斗が現れた。圭斗からは、圭斗の使っているソープの香りがし李衣はその香りに酔ってしまいそうだった。
圭斗は何も言わず部屋の明かりを消し、ソファーに座っていた李衣を抱えベットに向かいそのまま李衣を押し倒した。