好きの言葉-2
彼があたしに『好き』と言わなくなって2ヶ月が過ぎた。
『好き』
あたしは彼を見つめる。
彼はただあたしの頭を撫でる。
気がつくとあたしは毎日のように『好き』という言葉を言っていた。
ただ彼の気持ちが知りたくて。
それに彼が飽き飽きしているのも気がつく。
『ほんと…バカな話』
真っ暗な部屋の中で彼の寝顔を見つめながら呟いた。
言葉にしなくてもわかると言っていたのに
言葉にした途端不安でいっぱいになる。
『好きだなんて…言わない方がいいね』
たやすく使える言葉。
使いすぎるとその意味までたやすくなる。
『でもね、言葉にしたくなる…あんたが答えてくれないから』
それは少し前のあたし。
気持ちは変わらないというのは変わらない。
『どうしたら…』
だんだん彼が滲んでいく。
背中を向けているのが絶望的に感じた。