SLOW START W-5
「実は感じやすいとか?」
ニヤリと笑い服の裾から手を侵入させてくる。
温かい掌で腹を撫でつつ耳を舐め息を吹き掛ける。
「やっ違いま…す、んっ」
そう答えるのが精一杯だった。
先輩は背中にあるホックをいとも簡単に外し、そのままの胸をゆっくり揉み始めた。
手の平でこね、指の間に乳首を挟む。
自分で触った時には比べものにならない快感に酔っていく気がした。
服を捲くり上げられあらわになる頂上に生き物のような舌が触れた。
「あっダメで…ふ、んん…あぁ!」
舌先でゆっくりと円を描くように舐めたかと思うといきなり乳首を軽く噛まれた。
「ここ弱ぇの?すっげぇ固くなってるよ。…ハァ、俺がどんだけ我慢してたか知らねぇよな…こんなんじゃ足りねぇよ」
「っ先輩!辞めてくだっあぁダメだって…ンンっ」
赤ちゃんのように乳首をチュウチュウ吸われ、更に固くなるのが解る。
嫌なのに辞めて欲しいのに身体に力が入らない。
先輩の雄の部分を見せ付けられ自分が雌なんだと理解していく。
下腹部が熱い。先輩はあたしのベルトを簡単に抜き取ると黒のパンツを素早く脱がせる。
あらわになる小さな布地に恥ずかしくなった。
「上下バラバラって…なんかお前らしいわ。」
「もう…本当辞めて下さい!これで冷めたでしょ?!」
あたしは泣き出しそうになりながら訴えた。
先輩の答えは想像していたのとは違った。
「…その顔やっべ…超可愛い。いじめたくなっちゃった…用があるのは中身だし…」
「っ!!ダメ!!」
先輩はためらう事なく最後の砦を崩す。
あたしの目から涙が流れる。
…先輩の事は嫌いじゃない…けどこんな無理矢理なのは望んでなかった…
先輩はキスをしようとあたしの顔を見る。
「…泣いてんの?…そんなに嫌だった?」
あたしは黙っていた、が涙だけは流れていく。
「なんか…悪かった。」
あたしの上から先輩が離れた。側にあったブランケットが掛けられる。
あたしは起き上がり服を着る。
先輩は反対側を向き俯いたまま動かなかった。
「…帰ります。」
一言だけ告げて部屋を後にする。
マンションを出て駅まで歩き、そこからタクシーに乗った。
何が起こったか理解出来なかったが夢ではない事だけはハッキリと解る。そのままベッドに倒れ込む。携帯が鳴った。
鞄から取り出し開く。
田山先輩だ。
【本当にごめん。今日お前に好きだって言うだけのつもりだったんだ…傷つけてごめん。でも本当に晶の事好きだ。それだけは信じて欲しい…】
つづく