MORE【1-後】〜変化〜-6
「はい,侑登さん。水飲んでください。
ちょっとは楽になるかも」
未だにふらふらしている彼の身体を支えながらグラスを渡す。
『……飲まして…』
「ああ…グラス持つのつらいですか?
じゃあ…」
『いや…違くて。蛍那が直接飲まして?…俺に』
「……………!?」
考えること5秒。いくらアタシでもそこまで言われたら気付く。
直接って…口移し!?
したことないし…もちろんされたこともない。
てかホント侑登さん!?キャラ違うし…。
どうしちゃったの!?
『ねえ…蛍那。水…』
ちょっと潤んだ目でアタシを見てる…
どうしよう…
うぅ〜ん…
ええいっ!!何とでもなれだ!!
グラスから水を軽く一口…
そのまま彼の方へと近づく。
やっぱり綺麗な顔…
こんな人とアタシずっと一緒にいたんだ…なんて余裕な考えをもってたらすうっと彼の手が伸びてきて…
『…遅い』
言い終わるかどうかのうちに
アタシの頭の裏に手を回して
優しく顔を引き寄せられた。
「…んっふ…んん…」
『…ごく』
静かな部屋に飲み込む音がやけに響く。
アタシきっと今顔赤い。