年上の事情。‐6-3
「‥なに、言ってるの?」
目が離せない。
「五十嵐さんなら、オレが出していたオーラ、わかりますよね?」
あー、
やばい。
「好きです」
「えぇっ!」
これは、祝さやか。
鳴海くんはあたしの隣にいる。
あ、
香ちゃんは、立ち上がり、出ていってしまった。
あたしは、
彼から目が離せなかった。
「五十嵐さんが、ずっと片山さんを好きだったのは知っています。別れたばかりで、こんなこと言うのは卑怯だけど。
‥だけど、避けるなんて、やめてください」
そして、立花くんは出ていった。
一瞬、悲しい顔をしていたように見えた。
いつからだろうか。
自然に身につけてしまった人との接し方。
無難に過ごそうと、人と深く関わりすぎないようにと、自分の中でコントロールしていた。
あたしはどこかで、立花くんに告白されることを拒否していたのだろうか。
香ちゃんがあたしの部屋に戻ってきたのは、皆が帰ったあとだった。
「大人げなかったです。
ごめんなさい」
あたしは何を言っていいかわからず、
「とりあえず、もう一杯飲まない?」
またワインを開けた。