年上の事情。‐6-2
「姉さん、聞きたかったんですけど、片山さんと付き合ったときはどっちから告ったんですか?」
「告った」の言葉にどきっとする。
また片山の話かよ‥
「そういえば、あたしが入社したときはもう2人付き合ってたもんな。あたしも気になる!」
香ちゃんまで‥
「えー‥
あっちからだったかなぁ。でもあたしも好きでオーラは出してたし」
「なるほどー」
なんて女子2人は感心していた。
「オーラって何ですか?」
隣にいる鳴海くんが口を開いた。
「んー、例えば好きな人にはオープンに好きだ光線を送るの。
で、逆に嫌いな人には近寄るなって雰囲気を出す。
先輩はそういうのすごいですよね」
鳴海くんが「へー」と感心している。
「そうかな。まぁ、部長にはイヤオーラをだしてたかな」
一気に皆が笑ってくれた。っていうか、もうあたしの話はいいよ!
あ。
相変わらず、1人の男からは視線を感じる。
え?
部屋の中が静まり返った。
立花くんが口を開いたのだ。
「じゃあ、五十嵐さんが最近オレに出してるオーラの意味って、近寄るなってことですか?」
久しぶりに目を合わせた。