『陰幽霊光』-3
「しかし、それじゃ『幽霊さん』が見えないな……」
《目を開けても、私は見えないよ?》
つまり、どうやっても見えないわけね………
……でも、おもしろくね?
くだらない高校生活、変えられそうかも!
「よし、気に入った!」
《お!物分かりがいいね。
私も、ヒマなんだよね〜。
キミにとりついてもいいかなぁ?》
「とりつく?」
《四六時中、キミにくっついていること》
「俺の『ストーカー』になる気か?」
《いや……それは違うと思うなぁ》
「じゃあ、俺の『彼女』になるのか?」
《へ……あ、うんそれ!》
「よし、楽しませてくれよ?」
《まかせなさい!》
スッ、と手を握られる。
「うお!」
思わず目を開ける!
当然……目の前には誰もいないし、握られていた感触も消える。
「ああ、そうか」
目を、瞑る。
すると、手に感触が戻る。
《ひどいなぁ。
いきなり、独りぼっちにするなんて》
目を瞑る闇の中で、クスクスと笑い声がする。
「悪いな」
《いいってことよ。
それじゃ、よろしく》
「ああ。よろしくな」
しっかりと握手をする。
こうして『声』しか、
わからない彼女との………
短い日々が始まった。