『陰幽霊光』-12
健太は、また空き地の土管の上に座っていた。
いつも通りの日常………
「……………」
病院で検査を受けた健太は、問題なしで帰らされた。
あるだろ………
自分の、最低な性格に問題が大ありだろ………
みつからなかった………
あの後、事故現場に行ったが…………
テレサはいなかった………
探しても………
探しても……
探しても…
結局みつからなかった……
ヒュー………
「やっぱり風の音は……
『ヒュー』だよなぁ……」
当たり前か………
「ヒマだな………」
あ、口癖出ちまったな……
「何回目だっけ………」
最近、自分で数えてなかったから…………わからん。
「つまんねぇな」
なんかやる気が起きない。
「もともと………
普通だったらありえない話なんだよなー」
幽霊なんだからさあ………
「………ん?」
いつの間にか、土管の下から健太を見ている、少女がいた。
「何やってるのぉ?」
「たそがれてるのさ」
「キミ、馬鹿じゃないの?」
「かもな、てか誰?」
「私は、陰幽 霊光」
「いんゆう れいこう?」
「うん」
「変な名前」
「キミは失礼だね」