『陰幽霊光』-11
チョン……
「!」
いた………
みつけた………
「テレサ………」
震えてない………
いつも、震えている手が…微動だにしない………
「……行くんだろ?遊園地に………」
テレサは答えない。
「ジェットコースターに乗るんじゃないのか?」
テレサは答えない。
「テレサ!
何か言ったらどう…!?」
健太は肩を押さえられる。
「君、早く病院に!」
いつの間にか、救急車が止まっている。
「離せ!!
テレサを、起こさなきゃいけないんだ!」
「いけない。頭を打ってるかもしれない」
健太は、
救急隊員に無理矢理、救急車に乗せられる。
「離せぇ!!
怪我をしているのは俺じゃない!」
「早く、鎮静剤を!」
「俺は狂ってない!
早くテレサ……を………」
薬を打たれた健太の意識は遠くなっていく…………
最後、車にぶつかる瞬間…テレサが視えた……
想像していた通りの笑顔で
《私……この時のために、キミに出会ったのかもね》
と、健太の体に抱きついた……………