投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『陰幽霊光』
【その他 恋愛小説】

『陰幽霊光』の最初へ 『陰幽霊光』 9 『陰幽霊光』 11 『陰幽霊光』の最後へ

『陰幽霊光』-10

「きゃー!」

「ひき逃げだ!」

「待て、この野郎!」

「待て、子供2人の安否の方が先だ!」


通行人は、色々と言い合う


「……ん?」


健太は、目が覚める……

「大丈夫か、君!」

「へ、平気です」

「うわぁぁぁぁぁん!」

「こっちも平気だ!」

「し、信じられない。
かすり傷だけしかないとは」


「………はっ!」

ガバッと、立ち上がる健太

「ど、どうした!?」

「………テレサ」

「え!?」

「テレサぁぁ!!」

健太は、まるでコンタクトを探すかのように、地面に足をつけて、手を動かす。

「お、おい!?」

「女の子が………」

「いや、事故に巻き込まれたのは君と子供だけだ…」

「いるんだ!女の子が!」

健太は、手探りで視えない少女を探す。

「違う……目を開けてちゃダメだ………閉じないと」

健太は、目を閉じて探り始める。

俺のせいだ………

目を開けていれば………

テレサを身代わりにさせなかったのに………

恐かった………

恐怖が、目を閉ざした……

だから、テレサを………

「どこだ………どこにいる………」

目を閉じれば、テレサは俺を触れる………

なら、俺もテレサを触れるはずだ………

目を閉ざした闇の中………

手探りだけで必死にテレサを探す、健太………


『陰幽霊光』の最初へ 『陰幽霊光』 9 『陰幽霊光』 11 『陰幽霊光』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前