『紗香』-3
『…ああっ…あああっ…』
モーターも回っていないのに…紗香の吐息は止まらなくなっていた…
「後で、もっとも気持ち良くさせてあげるからね…」
『…ぁああっ…声がっ…あふっ…止められないっ…』
車を数十分走らせ目的の場所に到着する…ひとけの少ない古びたラブホテル…車を停めた僕は、助手席のドアを開け紗香に手を伸ばした…
「さぁ、着いたよ…」
紗香はフラフラと僕にもたれかかる様に…僕の腕にシッカリと自分の腕を絡ませていた…おぼつかない足取りの紗香が、僕の耳元で息を荒げながら囁いた…
『もお、凄く感じちゃってるの…』
僕は、フレアスカートの裾から垂れ下がったローターのコードを握り、ホテルのフロントに向かった…
ホテル入り口の大きなパネルに、色とりどりの部屋の写真…空室の明かりが灯る部屋のボタンを押すと、奥のカウンターでビーィと、安っぽいブザーの音がした…
ブザー音の方向に目をやると、目線をパネルで隠したカウンターから、ニョキッと部屋の鍵が差し出されていた…
小さなエレベーターに乗り込む僕と紗香…3階のボタンを押した後で、掌の中のローターのスイッチをオンにした…
『ぁあああーっ…ダメっ…ああぁあーん…』
エレベーターの扉が閉まると同時に紗香の腰がガクンと下がり…歓喜の吐息を漏らす紗香…
『…ぁああっ…オネガイッ…ぁああん…スイッチを…ぅうぐぁあああん…』
僕は、エレベーターの扉が再び開くとスイッチをオフにした…紗香の荒い息遣いが耳元でしていた…