冷たい情愛4〜冷たい目〜-7
「綺麗な体です」
私の裸を見ても冷静な顔をしている。
私より2歳下というのが本当なら遠藤さんは28歳。
いくらなんでも…
目の前に裸の女がいるのに、この反応は理解できない。
私は、彼の視線を遮りたくて彼に体をくっつけた。
「いくらなんでも恥ずかしいです…」
彼は私の背に腕をまわし、そっと抱きしめた。
耳元で、囁く彼。
「男の前で数えきれない位、見せてきたでしょう?」
彼はそう言って…キスしてきた。
触れるだけのキス。
心臓が痛い位動き出した。
ほんの数秒のキスが終わった後彼は言った。
「貴方は私の事を知らないでしょう。でも私は意外と貴方のことを知っているんです」
最後の一枚を脱がす彼。
私は全裸になった。
彼の舌が私の口腔に入ってくる。
私の舌を優しく舐め、絡みつかせる。
そのうち口腔の上も下も…くまなく舌を這わせてきた。
彼の手は私のうなじを優しく撫でる。
背中を撫でる。
私を見る目はいつだって…あんなに冷たかった。
なのに…
私の体に触れる彼の手からは性的刺激ではなく優しさだけが感じられる。
口腔内に溜まる唾液…どちらのものなのか…
私はゴクッと飲み込んだ。
少し苦しい…
「んん…」
声を出したが、それでも彼は口腔への執拗な粘膜の刺激を辞めようとしない。
彼は片腕を私の腰にまわし、もう片腕で耳や頬を撫でる。
まるで最愛の恋人との行為かと錯覚してしまう。
口を離した。
口角からは唾液が流れてしまう。
彼の顔を見た。
目が合う。
そこにはいつもと同じ、冷たい感情のない目。
ゾクッとする…