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蔵の中
【歴史物 官能小説】

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蔵の中-1

玉が数えで14になった春、奉公先の男に連れられ案内されたのは店の主人の所でもなければ炊事場でもなかった。勝手口から裏庭を通り過ぎ、更に奥につながる広い忘れられた様な荒れ庭。そこに3つ、4つと並ぶ蔵は以前使われていた物なのか古めかしく、朽ちてそのままになっている物もある。玉は、外れとはいえ江戸に来たのも商家を見たのも今日が生まれて初めてで、だから目の前の荒れ庭や古びた蔵の光景に少しほっとしていた。あそこが自分の寝床なのだろうか。店先の賑わいから忘れられた古い蔵は自分が寝かせられる場所として想像しやすかった。「おい、おまえ、あの一番手前の蔵にいけ。上に上がるとおまえがお世話する方がいるから挨拶にいけ。飯は俺が運んで来る。用があるときはその時言え。お前は店先には来るなと言われている。さあ、行ってきな。お前は無口でおとなしいと見込んで連れて来られたんだ。何かと騒がずよく奉公しなよ。」男はそれだけ言うと玉を置いて行ってしまった。言われた通りの蔵に近付いてその重そうな蔵の戸を見た。手を掛けるとそれは予想に反して滑りよく開き、玉は中をそっと覗いた。薄暗い中は外見に反してきれいに片付いており確かに人の生活している匂がする。奥には二階へ上がる階段がは、後から造り付けたのであろう、見るに新しく、しっかりしたもので、何故か厚い布地が貼り付けてあった。玉は言われたとおり階段を上がって行った。
「はっ‥。」格子戸から外の光が照らすその光景はこの世の物とは思えなかった。「あぁ‥っあっんっ‥‥はぁっ‥。」喘ぎ声を上げているのは、全裸の色の白い女で、異様に腹の突き出た姿も露わに床に寝そべり足を開いている。「あ‥っああっ。!」その脚の間に顔を埋めているのは男なのだろうか。長い白髪で体が細く、はだけながらも着物をまとっている。玉は立ち尽くしたままでどうする事も出来なくなっていた。「あぁ‥」グチュ、ずるりと音を立てながら産月も近いのであろう腹をむきだしにした女の脚の間をゆっくりと味わっている白髪の男。それはこの世の物なのだろうか。すっと脚の間から顔をあげ、そのまま指で女の秘所をゆっくりと何度も縦になでながら、こんどは白髪は女の豊満な乳房を揉まずにその先端だけを舌で弄んでいる。「秀、秀治郎さま‥あっあぁそこが‥あぁ止めないで下さいまし、どうか、ああっ‥。女の声が必至をあらわし、白髪の男は女の願い通り、乳首を舌で舐めながら女の秘所を中指で芯に添わせながらゆっくりと撫で続けていた。終わりのないかの様に快楽に耽り身を反らせている女の姿に、玉は身体の奥がじわりと熱くなるのを感じて、はしたないと思いつつも、いつしかそこに自分を重ねていた。白髪の男のからだは女の脚を大きく開いてそこに自分の腰を深く埋めた。ゆっくりと、ゆっくりと何度も腰を動かす度、女はくぐもった声で小さな悲鳴をあげ、その手はいつしか自分で乳房を揉んでいる。玉は立ち尽くしたまま何も出来ない。「あ、あぁっんっ‥。あっ‥、あああっ‥!」女が一声あげて引きつり身体をのけぞらせた。つられた様に白髪の男も身を強張らせた。「‥。あぁ‥。」女に答えた白髪の男の声は見た目に反して、張りがあり、若かった。女がぐったりと動かなくなり、男はゆっくりと脚の間からその腰を抜いた。西日の差し込む蔵の中で玉は生れて初めてふだんとはちがう男のそれを見た。果てた後もそのままを保っている。ヌルリとした液でまとわれたそれはまるで別の生き物のようだ。と玉は思った。「秀治郎さま‥。」横たわったまま女が口を開いた。「お別れなのですね。」つい先ほどとは違い、声を漏らさぬ様に口許を両手で押さえながら、と呼ばれた女は目から静かな涙を流していた。
私はあの人の変わりになるのだろうか。玉は目の前にいる男に触られている自分を想像して頭の中が恥中と期待で混乱し身の置き所がない。
やがて玉がふと後ろに気配を感じて振り向くと小さな老婆が立っていた。「さあ、参りますよ。」老婆の言葉に〇は、ゆっくりと起き上がる。そこの者、〇に着物を着せてやってくれ。玉は呼ばれて初めて秀治郎の顔を見た。顔立ちのととのった美しい青年である。ただその異様な白髪を除けば。言われるままに〇の身重の身体に着物をかけて袖を通してやると、〇は自分で立ち上がり、老婆と共に布地の張られた階段をそろりと降りて行った。「名は何と言う。」玉は自分の名前を告げるとそのまま秀治郎に湯の用意をするように言われた。蔵の並びに小さな湯殿が造られていて玉は薪の支度さえすればいい様になっていた。湯が沸いた頃には秀治郎は自分から既に来て、玉に自分の身体を流す様にと伝えた。先程まで女と絡んでいた男の身体に触れねばならぬと思うだけで玉は顔が火照る。「お前も全て脱いで入って来なさい。」射す様な目で言う男に玉は逆らえず無言で従うしかなかった。裸体で秀治郎の白い髪を洗う。西日に透けてまるで銀色の様な白である。洗い、背中を流すと、洗い場に玉が座らされ、秀治郎自らの手で同じ様に髪を洗われ身体も糠袋で丁重に洗われた。「おいで。」玉は秀治郎の入る湯船に迎えられ促されるまま彼に後ろ抱きにされてゆに入った。「玉、幾つになる?。」「14になります。」湯の中で首から背をなでながら聞く秀治郎の声に自分でも信じられぬほど、うっとりしながら。玉は答えた。玉のまだ幼い乳房に手が触られ、丁重にその先端が摘まれ撫でられて行く。脚を開きなさい。玉、自分でも触った事が有ろう。


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