MORE【1-前】〜出会い〜-2
―――何?
―――誰かが
―――倒れてる…
…それは紛れもなく
頭から血を流した
―――母さんだった
それからはあんまり覚えてない。
母さんの恋人が手を血で染めてた。
アタシに気付いてたのかは分からないけど…
とにかく逃げろって…本能だった。
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…ここで冒頭に戻る
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涙なんて、余裕のないアタシには微塵もでてこない。
さっきの光景が頭から焼き付いて離れない。
母さん…母さん…母さんっ!!
いつの間にか地面にへたり込んでいた。
今何時なのか、ここがどこなのか、この先どうするのかさえ全然考えられない。
突然、フッと目の前が暗くなった。
思わず顔を上げる…そこには…
「松長さん…っ!!」
母さんの恋人…
そして,つい先ほど母さんを奪った奴がそこにはいた。