冷たい情愛3 優しい目-7
「あ…ううう…」
搾り出した声を聞き、私は片山が達したのを感じた。
そのすぐ後、私の中に、違う温かさの粘液がドクドクと流入したのが分かった。
片山は、私の体の上にふさぎこみ、暫く動けないようだった。
それだけ彼は激しく私を攻め、私は快楽をもらった。
暫くすると、片山は私の耳元で言った。
「俺さ、この体も、お前も…好きなタイプだったらしい」
これは、愛の告白なのか、体を気に入ったという告白なのか…
答えは分かりかけていたが、私はわざと気づかない振りをした。
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片山も今では私のことを「使える部下」として見ている節がある。
仕事上で信頼し合える、上司と部下。
「昼飯一緒に食わないか?」
暫くすると若い子たちが戻ってきたので、入れ替わりに外に出ることにした。
「すまん、設楽と昼飯行ってくるから留守番頼むぞ」
若い子たちが横目でこっちを見ている。
そのはずで…30代半ばとはいえ、未婚で顔も良く仕事も出来る…
そんな彼は若い子達の憧れの上司であるのだから。
彼はいつも優しい。
男女問わず、人に優しい。
でも私は気づいている。
彼は、私にだけ見せる「優しい目」を持っている。
そして私は、その優しい目に甘えたいのに拒む矛盾を持っている。
私は、今…あの冷たい目をした男に、惹かれ始めてしまっているのだから。
続く