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僕らの日々は。
【コメディ その他小説】

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僕らの日々は。〜冬の日、幸運〜-1

深夜、12時ちょっと前。

二つの人影が、雪が降る夜道を並んで歩いていた。

「……あと少し」
「そうね。秒読み開始」

一人は少年、一人は少女。歳は同じくらいに見える。

「…3……2……」

少年の腕時計を二人で覗きこみながら、短い秒読みを始めた。

「「1」」

二つの針が12時を指した。

「あけましておめでとう、春風」
「あけましておめでとう、一葉」

今日は、一月一日。
元旦になったばかり。
一葉と春風は初詣をしに神社へ向かっている途中だった。

「うー…寒っ。年が変わったっていうのに気温は全く変化無しね」
「いや、当たり前だろ」
「ホントに地球温暖化なんて起きてるのかしら?普通に去年より寒いわよ、今年」
「まぁ確かにね。でも起きない方がいいんだから別にいいんじゃない?」
「それもそーね。いいわ、別に寒いの嫌いじゃないし」

隣を歩く一葉は寒い寒いと言いつつも、普通に元気そうだ。

「一葉は夏生まれだけど、寒いの大丈夫なんだね」
「まーね。っていうか生まれた季節って関係あるのかしら?春風は4月よね」
「名前通りね。僕はどっちかって言うと夏が好きだけど」
「私は特に好き嫌いはないわね。一年丸ごと楽しまないと損じゃない。苦手意識なんて持ってらんないわ」
「ま、でも確かに生まれた季節で違うのなんて星座くらいだよね」
「そういえば星座って星占いでしか使わないわよね。春風は星占いとか信じるタイプ?」

朝のニュースとかでやってるアレか。

「うん、順位がよければ気分上がるし悪けりゃ落ち込むな。割と信じる方かも。一葉は?」
「上位なら信じる。悪ければ信じない」
「そんなミもフタもない……」
「占いなんてそんなもんよ。どうせ当たりっこないんだから、いい時だけ信じてあげればいいのよ」
「ポジティブというか何と言うか……」

そんな話をしているうちに、和太鼓の音が聞こえてきた。
神社までは、もうすぐ。


▼▼

「うわー、すっごい人ねぇ……」
「市内の大半が来てるからね。さ、僕達も並ぼう」
「……にしても夜中からこんだけ集まるなんて、皆もつくづくヒマ人よね」
「……それを僕らが言える立場かね」

別にヒマだから来てるワケではないだろう。一応初詣という目的もあるんだし。


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