喪失-1
頭が真っ白になった。
目の前のメールの文を凝視する。
【別れさせて下さい。自分が惨めになる前に、自分を失う前に…】
心臓が早くなる。
何も考えられなくて、自分の今の状況が理解出来なかった。
メールの文の意味がわからないな、現実味がないなと他人事のように思う。
『え…なんでぇ…??』
涙が溢れて視界がぼやけてるのも気にせず返信をする。
【なんで?ちゃんと話しようよ】
返信が来ない。
手が震えてくる。
別れはいきなり来るんだとその時思い出す。
【さっきお風呂に入ってて返信出来なくて電話も出れなくてごめん!でもなんで急にそうなるの?】
そう…そう。ただ、お風呂に入ってて出てきたら着信が来てて見てみたら彼からメール二件と着信一件。
【今電話してい?】
さっき彼からメールが来てて怒ってたから返信してなかった。
お風呂入ってたから電話に出れなかった。
そうしたらこうなってた。
返信を待ちきれず電話をする。
《こちらは、お留守番サービスです。ただいま電波の届かない所か電源が…》
繋がらない。
ようやく焦ってきた。
修復出来ないんだと理解する。
なんで?なんで?
『…やぁぁぁぁぁぁあぁああぁぁぁぁあ!!!!!』
…ゃだ…やだやだやだ!!!
いなくならないでよ!!!ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃん!!!
気が狂った様に泣き叫ぶ。
本当に私は気が狂ったんだと思う。
あの人がいないとダメなのに!!!なんで?なんで?!!
私がいっつも拗ねるから!??
どうしようどうしよう…
もうワガママ言わないから…嫌なトコ全部治すから戻ってきてよ…!!!!!
フラリと立ち上がり家の電話に向かう。家の電話から彼のケータイにかける。
馬鹿だけど、私のケータイが着信拒否されたのかと思ったから。
繋がらない。
涙が溢れてくる。
止まらない。
心臓が痛い。
助けて…!!!