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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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高崎龍之介の悩み 〜女難〜-15

にゅぶっ……!

「んぁっ……!」
「っふ……!」
 二人の口から、同時に息がこぼれた。
「あ、あ……りゅう……」
 自重に任せてずるずると龍之介を飲み込み、美弥は体を伏せる。
 龍之介は伏せた美弥の唇を吸い立て、下から美弥を突き上げた。
「んぅ、むぅ、んむふううっ……!」
 しばらくキスを受けてから、美弥はゆるゆると腰を使い始める。
 結合部から聞こえる淫らな音に秘穴をびくびく収縮させながら、美弥は必死で腰を振った。
 気を抜くとすぐさま、腰が砕けてしまいそうになる。
 そんな美弥の事を腰なんか砕けちまえと言わんばかりに、龍之介は激しく揺さぶった。
 細っこい腰に手をやって動きの補助をしつつ、下からある程度容赦して美弥を突き上げる。
 全く容赦しないと美弥がすぐに限界を迎えてしまい、長く楽しめないからだ。
「んくぅ、あ、ふうぅ!」
 しかし……やはり感じ過ぎているのか、美弥の腰の振りが次第に緩慢になって来る。
「美弥」
 動けなくなる前に、龍之介は美弥と上下を入れ換えた。
 美弥を抱え込むようにして体を密着させながら、龍之介は能動的に腰を使う。
「んぁ、あ、ふああああんっっ!!」
 力の入らない腕で必死に龍之介へ抱き着きながら、美弥は口から可愛い声を溢れさせた。
「美弥っ……みや……!」
 しばらくして龍之介は激しい前後運動を緩やかな撹拌運動に変え、美弥の頬や唇にキスをする。
「んぅ、ん、ん、んふぅ……」
 唇を貪られると、美弥の喉が甘く鳴った。
「はぁ……」
 つっと引いた銀糸を、美弥は蕩けた表情をして飲み込む。
 もう一度深く口付けてから、龍之介は再び動き始めた。
 毎度ながらのきつい締め上げに堪え切れず、二人でイクために。
「んぁ、あぁ、ひあああああああんっっ!!」
 少しして、美弥の体に絶頂を知らせる痙攣が走り始める。
 龍之介は美弥をイかせるべく、ピストン運動で追い詰めた。
「ああっ、あっ、あっ……〜〜〜〜〜〜っっ!!」
 追い詰められた美弥は、堪らずに限界を突破する。
 美弥がたっぷり愛戯を施したせいで、龍之介は耐えられずに精液をほとばしらせた。
「はぁっ、ああっ……!」
 龍之介が何度も何度も脈打つのを感じ、美弥が声をこぼす。
「美弥っ……みや……」
 がくがく痙攣している美弥を抱き締め、龍之介は囁いた。
「美弥っ……愛し、てる……ありが、とう……」


 そして、翌日。
 路子から保健室を貸し切りにして貰い、美弥と龍之介は真継と菜々子を呼び出していた。
 ――決着を、つけるために。
 保健室には路子の好みでコーヒーメーカーが置いてあるため、美弥はそれを使って四人分のコーヒーを淹れた。
 各人の前にへ白いマグカップに入ったコーヒーを置き、美弥は龍之介の隣に座る。
 テーブルを挟んで隣り合う、真継と菜々子。
 真継は不本意そうな顔をし、菜々子はふて腐れたような顔をしていた。
「……で?」
 美弥が座るのを待ち兼ねたように、菜々子がふて腐れた声を発する。
「わざわざ人の事を呼び出したのは、いったい何のためなんですか?」
 美弥は、肩をすくめた。
「私はあなたに、一つ聞きたい事があったから」
「何ですか?」 
 挑戦的な口調になる菜々子に対し、美弥はにこりと微笑む。
 余裕しゃくしゃくといった風情に、菜々子は鼻白んだ。
「この一ヶ月……あなたいったい、龍之介の何を見ていたの?」
 問われた菜々子は即答しようとして……返答に詰まる。
 いったい何を、見ていたかとは……。
「少なくとも、龍之介があなたに対してどういう反応をしていたか……これだけはろくに見ていないの、分かるわね?」
「な……にそっ……!」
 美弥は、ゆるゆると首を振る。
「龍之介の外身ばかり見て中身を見てないの、分からない?」
 龍之介は頷いて、同意を示した。
 菜々子と対峙している今の状況が恐くて、龍之介は口がきけない。
「……そうね、じゃあ一つ質問。谷町さんあなた、龍之介に対してどういうイメージがあるの?」
「どういうって……」
 考え込んでから、菜々子は答える。
「爽やかで、凛々しくて……こいつみたいにすけべばっかり考えてなさそうで……」
「ふぅん……」
 再び、美弥は首を振った。
「龍之介って、性欲旺盛だけど」
「へっ?」
「爽やかとか凛々しいっていうのは、事実だから認めるわ。でも龍之介って、けっこうすけべよ」
 龍之介が、美弥の手を引っ張る。
「分かってるわよ。すけべばっかりじゃないのもね」
 美弥は笑って、龍之介の手を握った。


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