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聖なる夜に…
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Strange days-7

「それが会社にバレたら…訓告ぐらいじゃ済みませんよね」

「…オマエ…」

顔を歪ませる敦。めぐみはノン・シャランな顔で続けた。

「だから言ったでしょう。無理強いはしたく無いって…」

敦は歪がんだ顔でめぐみを睨んでいたが、フッと力を抜いて笑った。

「オマエにゃ負けたよ…協力すれば良いんだな」

めぐみの顔がパアッと明るくなった。

「ありがとうございます!上条さん」

めぐみは自分の事のように深々と頭を下げる。

「但し、何の確約も出来ないぜ。それと、知佳子だっけ?そいつと直接会わせてくれ。話はそれからだ」

「分かりました!」

そう言って応接室を出ようとしためぐみに、〈ああ、それとな〉と付け加えると、

「セット・アップは一週間以上先にしてくれ。それくらい先なら少しは暇になるだろうし、知佳子って娘の傷も癒えて落ち着いてるだろうからな」

敦は屈託の無い笑顔を見せた。それを見ためぐみは〈分かりました!〉と元気に答えた……



ー二週間後ー

夕方。めぐみは先日、沙那と行ったファミレスへと急いでいた。件の当事者である知佳子も待っているからだ。
敦が半ば強制的に協力を了承してくた夜、めぐみは沙那に連絡をとった。沙那は非常に喜び、知佳子と連絡をとり今日を迎えたわけだ。
言葉にすれば、さもトントン拍子にセット・アップ出来たように聞こえるが、三人の意思の疎通が思ったより手間取り、予定だった一週間後を大幅に上回って二週間後の今日になってしまった。

「こっち、こっち!」

息を切らせながらファミレスの自動ドアーを潜っためぐみを沙那が見つける。両手を大きく振って呼んだ。

「ごめんなさい…ちょっと遅れて…」

めぐみはバッグからハンカチを取り出すと、滲む汗にあてる。
沙那は笑顔でめぐみを迎える。その顔には先日見せた辛そうなイメージは無かった。

「そんな事ないよ!私と知佳子が早めに来たんだ」

そして、改めて知佳子をめぐみに紹介した。

「こんにちは。知佳子ちゃん。私、林田めぐみ。沙那ちゃんの友達なの」

努めて明るく振る舞うめぐみ。だが、知佳子はうつ向いたまま小さく会釈しただけで黙っていた。

肩に掛らない程度にカットされた艶やかな髪。色白というより、長い間日光に当たっていないような病的に青白い肌。
ただ、それ以外は普通の女の子にめぐみには見えた。ただ一点を除いて。

「ところで敦は?」

沙那がめぐみに訊いた。

「それが…30分位遅れるから何か飲んでろって」

めぐみの返答に沙那は口を尖らせる。


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