冷たい情愛2-4
「開発部1課5G 設楽紘子様。平素お世話になっております。昨日はありがとうございました…」
いつも通りの、仕事のメール。
安心した。
昨日といい、今日といい、私はどうかしている。
彼の端々を、勝手に性的なものと結びつけ一人で乱されている。
画面をスクロールし、文章を読んでゆく。
「 遠藤 芳 」
いつもと同じ署名で終わった。
普段なら、そこですぐにメールを閉じる私だった。
だが、ぼーっとしていたからだろうか…そのままスクロールし続けた。
「っ!!!」
驚いて、声が出なかった。
署名よりずっと下…無字の空間を挟み、一文が記されていた。
「私の指でよければ、是非に…」
……彼は見ていたの!?私の指での悪戯を。
そんなわけはないのに…
私は、感情の無い、彼の目を思い出し、必死に何かを読み取ろうとしていたが…
こんな私が、彼の奥底を理解するなど、まだ到底無理なことだったのだ。