帰らざる日々-3
明日は実家に帰り、明後日には結婚式。亜紀はキャリー・バックに荷物を詰めていた。
その時だ。風が強まり、雨が屋根を叩く。亜紀はベランダに干していた洗濯物を取り込みに出た。
昼間の蒸し暑さがうそのように、冷たい風が頬を撫でる。
和哉は冷たい雨に構う事無く、闇夜を歩いた。身体は冷えきり、小刻みに震えながらも。
彼は亜紀のアパートを訪れた。
震える指がドアー・フォンを押した。
「はい?」
ドアーを挟んで、亜紀の肉声が和哉の耳に飛び込んできた。
「オレだよ。姉さん」
ドアーが勢いよく開かれた。
「和哉…?」
雨に打たれ、全身スブ濡れで佇む和哉。哀れこのうえ無い姿は、まるで何かを懇願するように見えた。
「バカねぇ…」
すべてを悟った亜紀は、和哉を中に入れると優しく胸に抱いた。和哉も亜紀を抱きすくめる。久しぶりに姉の匂いを感じていた。
亜紀を背中から包むように、シャツ越しに胸を揉みしだく。
亜紀の耳元で、和哉の熱い吐息が聞こえた。
「脱がせて…」
和哉はひとつ々ボタンを外していく。
「…う…ん…」
すべてのボタンを外して首元からゆっくりとシャツを開いていく。触れるか触れないかの指使いが、亜紀の心を昂ぶらせる。
半身が露になる。和哉は後から乳房をゆっくりと円を描くように揉みながら、唇と舌で亜紀の背中を責める。
「あぁ…ん…うぅん…」
舌は背中から腰へ降りてきて脇腹を舐めあげる。
和哉の手が亜紀のパジャマに掛り、ゆっくりと床に落とされた。
和哉はヒザまづいたまま、前に廻ると下着越しに亜紀の秘部を舐めた。
「はぁっ!…ああぁ…あんっ」
亜紀の下着は和哉の唾液か亜紀の愛液のためか、次第にちゅくちゅくといやらしい音を鳴らし始めた。
久しく無かった感覚が、亜紀の身体を貫いた。
「はぅっ…うぅ…」
亜紀はヒザを震わせながら、必死に耐えていたが、
「あぁ…もう…立って…られない…うんっ!…お願い、ベッドで…」
和哉は立ち上がると、亜紀に訊いた。