reality ability‐第4話‐南の草原、wind grassland‐-11
‐帰り道の最中‐
凰輝と羅紅は話し合っているようだ。
「ああ、他の嘉神家は元気だったぞ。」
「そうか。‥‥なぁ、俺は罪神になるのか?」
羅紅は真剣な顔つきになる。戻ってきたとはいえ、敵だったのは事実。罪神になるのは仕方ないだろう。
「さぁな。‥‥織音様や螺樹、それに知詠神の神々が決める事だからな。」
「そうか。‥‥そういえば、織音様は?」
羅紅も織音の事を様付けなのが驚きだった。
「東側を奪還している‥‥はず‥です。」
自信が無いようだ。
「‥‥だよな?‥‥気絶する前までは確かにあった。今では織音様の気が僅かにしか感じられない。」
羅紅が不思議な顔つきになって言う。
「‥‥隣の気の正体が解らない。」
「それなら解る。那奈夜だろうな。何故、あいつがセンターサークルに向かっているんだ?」
羅紅はその事を不思議に思っていたらしい。
「知らん。」
「‥‥まぁ、いいか。後で聞こう。」
凰輝と羅紅はまるで親友のように話し合う。さっきまで敵同士だったのに、それほど仲が深いのだろう。
「‥凰輝、まだ神の力の差は歴然なのか?」
不意に真剣な顔になる羅紅。その瞳には憎悪の火が灯っていた。
「‥ああ、相変わらず天使が下だな。司義莉様や織音様は例外と思うが、力の制限を掛けられている。」
凰輝はそんな羅紅を見ながら言った。凰輝の瞳にも怒りの火が灯っていた。
・神の力の差・
=運命神(天神家全員のみ。現在は十名ぐらいらしい。他の天神家は冥界に居て捕虜になっているらしい。)
+
知詠神(存在しますが、本作には登場しません。現在は詳細不明。)
↓
上級神(苗字と名前を持った天使。詳細は二話前で確認してください。)
+
死迎神(俗に死に神。注:死神 誑笥は違います。)
↓
下級神(名前を持った天使。幻想の力は使えるが、制限が掛けられている為弱い。)
↓
天使(細やかな幻想の力しか使えない。これも制限による結果である。)=
と、こんな感じな天界の階級社会だった。
「‥だから、敵になったのか?その状況を壊したくてか?確かに、螺樹の時代からの事だからな。」
凰輝はどこか悲しげな表情になった。いや、後悔しているのか‥‥。そして、昔の事を思い出し始めた。