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あなたへ
【悲恋 恋愛小説】

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あなたへ-1

「ずっと一緒にいよう。」

とか、

「幸せにする。」

とか、言うあなたが嫌い。

あなたは嘘つきだから。

私の両親ともちゃっかり仲良くなって、

堅物の父が、あなたのこと、

「男らしくていい。」

って誉めてたの知ってる?

悔しいから絶対言わないけど。

次の彼氏、相当両親に会わせ辛いよ?

「友達の結婚式のケーキは俺が作った。」

パティシエのあなたは自慢してたけど、

私達のウェディングケーキはどうなってる?

「スケート一緒に見るって言ったじゃん。」

夜中に人を叩き起こして、えっちがすんだら、テレビ消して、イビキかいて寝てるの。

スケートは?

私、すごく怒ってるんだからね。

「プール行かん?」

頑張ってダイエットしたのに、何で他の女の子ばっかり見るの?

それで、ちょっとリバウンドしたら、

「太った?」

ありえないでしょ?

「この曲いいから聴いてみて。」

いやいや、あなたの歌う声が大きすぎて聴こえないんですけど。

その割に、家に初めて挨拶に来た時は、蚊の鳴くような声で、

「笑顔の絶えない家庭を作りたいです。」

って言ってたね。

私、毎日泣きっぱなしだよ?

全部あなたが悪いんだからね。

ずっと私があなたを想い続けてるとか、

自惚れないでよ。

私だってまだ若いから結婚もしたいし、

この子にもパパを作ってあげたいでしょ?

女好きのあなただから、どこへ行ってもヘラヘラしてるだろうけど、

どうせ私しか愛せないんだから、

大人しく見守っててよ。

「運命じゃない?」

よく言うよ。たかがナンパのくせに。

でもまぁ、運命って信じてあげてもいいよ。

来世も会えたらね。


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