『ゲームメイカー』-19
「け・い…介さん?……それって……」
こいつを渡すのは、しばらく振りだな………
ベッドの上のサイドテーブルにある置き時計の飾り引き出しから、鍵を取り出す。
「翠……手を出せよ」
「な、何?」
「いいから……ほら早く!」
おずおずと差し出した彼女の手の平に、俺は鍵を乗せてそっと握らせた。
「部屋の合い鍵だ。意味ぐらい分かるよな?」
「!!…」
「見ての通りだ。贅沢なんかできねぇぞ?」
「………」
「いつまで黙ってんだよ!何か言えって…」
「い、いいの?」
俺は無言で頷き、ポンポンと彼女の頭を叩く。翠は手渡された鍵を両手で大事そうに抱え、引き出しの中に静かにしまうと再び俺にぴったりと寄り添ってきた。
「…嬉しい……」
口許を緩ませて俺は目をつぶる。けれど頬にかかる彼女の息に、うっすらと目を開けると翠はじっと覗き込むように俺の顔を見つめていた。
「……何だ?」
「キスして…いい?」
微かに荒い息遣い。俺が小さく頷くと翠は唇を重ねて来た。一旦離れて俺を見つめると、今度は激しく唇を押し付けてくる。
柔らかな舌が上唇を捲り、歯茎をちろちろと刺激する。堪らず口を開くと舌先が滑り込んで来て、俺を求めるように蠢く。ピチャピチャという音と共に舌が絡まり合い、彼女の唾液が流れ込んできた。激しさのあまり、溢れた唾液が頬を伝っていく。
「…ン…ンふっ……」
やがて彼女が、ゆっくりと口を離していくとキスの名残りが銀糸を引いていった。
「寝ないのか?」
俺の問い掛けに頬を赤らめて彼女は拗ねるような仕草をする。
「ずるい……こんな気分のまま、眠れる訳無いじゃない……」
そう言いながら、翠は俺の服をたくし上げていった。顔を上気させたまま、情欲の色を瞳に滲(にじ)ませて小さな舌を胸板へ這わせていく。紅い唇が乳首を捉え、思わず躰が震えてしまった。
「男の人も、ここって感じるんでしょう?うふふ……啓介さん気持ちイイ?」
俺の反応を楽しんでいるのか、妖艶な笑みを浮かべながら翠はそんな事を聞いてくる。
「ど、どうしたんだよ急に……」
突然の翠の変貌に情けなくも俺の声はうわずってしまう。
「欲しくなっちゃった……今すぐ啓介さんのが欲しいの……だから…」
細くしなやかな白い指が内股を摩(さす)り、付け根の方へ這い上がってくる。やがてトランクス越しに股間の上に到達した手は滑らかに蠢き、俺を刺激し始めた。
スルッと彼女の手はトランクスの中に潜り込み、柔らかくペ○スを握るとゆっくりと上下に動き始めた。時折、裏筋を軽く引っ掻くように刺激する指使いに翠の手の中で、ペ○スは見る間に雄々しく膨らんでいく。