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甘辛ニーズ
【コメディ その他小説】

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甘辛ゾーン-4

 ……今、リビングの方から、ガタンって物音がした訳ですが。
 トイレに籠もって馬鹿やってる場合じゃありません!
 急がない
「にゃー」
 と?

 なんで扉を開けた瞬間、真下にいるんですか。

「…し、心配したんですよっ!?」
「ふぎ!?にゃにゃにゃにゃ!」
 思わず、ちょびっとだけ目から一匁の汗が零れてしまいました。
 嗚呼、正にルィトルエモォション。

 そういやさっきのリビングの音が少し気になりますが、そんなことはどうでもよろしい!
 私にはまだ帰れるところがあるんだ、こんなに嬉しいことはない…!



「…これじゃだめですかね?」
 もはやトレビアン風オリジナルアレンジ流シュゥフルゥルファイナルポトフを作る気なんて、一瞬にして塵屑と化す様に失せたので子猫ちゃんのご飯を準備しましたが
 四分に契った食パンを牛乳に漬けて食べさせてあげるって、やっぱ貧相?

「あの、だめだったら、キャットフード買ってきますけど…」
「……」
 食物に恐る恐る鼻を近づけて匂いを嗅ぐ行為って、俗に言う『警戒』…ですよね?
 …ある種『確認』でもありますか。

 男性が女性の匂いを嗅ぐ行為は『痴漢』で『変態行為』ですね。これ豆知識。

 ちなみに女性の体から発される良質的な匂いの正体は『ラヴスメル』です。これも豆知識。
 いいですか、男性の皆さん。女性が近くにいると良い匂いがするからって、わかりやすい仕草をしちゃダメですよ。一瞬の内に、ある果物に喩えられますからね。これは警告。


 それにしても食べてくれる気配が微塵にも感じられません。諦めましょうか。
「わ、わかりました。買ってきま…!」

 と思いきや、見事に食べてくれました!

「……あ、あ、あ、ありがとうございます!何の捻りもなくただただ無駄無駄無駄無駄な私めが作った料理(?)を食べて下さるなん」
「…げふっ」

 …と思いきや、見事に戻してくれました…。



「ここの新聞紙があなたのトイレ、OK?」
「にゃ」
「こっから先は行っちゃだめ、OK?」
「にゃ」
「荒らさない、OK?」
「にゃ」
「よーし!そんじゃあ行ってきます!」
 秀麻凪!キャットフードを買いに、いざ出陣!

 とは言ってみたものの、今月は懐が寂しかったから本当は嫌だったんですけどねえ…。
 これもまたディスティニィってヤツですか。

「えーと、これかな…」
 ええ、極力安い物を選んでます、はい。

 けっ、ケチな女とは失礼な!
 サービス精神旺盛ですよ!?脱ぐとやばいぜ!?


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