甘辛ゾーン-3
ふう。
すんごい面倒なことになってきました。
と同時に、私の心も燃えてきました。
アレです、ボセイホンノウジです。もちろん漢字で書けます。
元気そうでしたがまずはご飯をあげないと、どうにもなりませんよね。
玄関に向かいました。
「今日は一日、私の側で過ごしてもらいます……って」
そこにいたはずの猫が、見事に消えていました。
「………猫さーん?」
私、ところどころから汁ダラダラです。
「…まいごのまいごのこねこちゃんー…あなたのおうちはどこですかー…にゃんにゃんにゃにゃー」
私、犬らしいです。
「…いーぬーのー…おねえさんー…こまってしまってあんあんああん…あんあんああん」
私、スェルパンになります。
「目標を完全に消失した!奴はどこにいる!?教えてくれ!大佐っ!」
困りました。
ここ、意外に広いですから、見つけるのに大変な時間がかかりそうで…。
…やるしかないみたいです。
こちら蛇女。台所に潜入した。
お腹が空いているのであれば食べ物の匂いを嗅ぎつけて、ここにやってきたんじゃないかと。
だが、いない様子だ。
食器棚の中にもフライパンの中にも冷蔵庫の中にも存在しない。
冗談はよしてくれ。と言いたいが、足早に次のエリアへ向かうことにする。
…リビング…。
適当に来てみたが、やはり空気すらも感じられない。
いったい、どこにいる?
定番なお約束として、自分の部屋に来てみた。
私のフェロモンがたっぷり仕込まれたこの部屋には、1%くらいの確率で誘われるだろう。
あと色々と羞恥心を煽られるので、詳細を省かせてもらう。
結局そこにはいなかった。
うーん。
凄く困りました。これこそいざ鎌倉です。
あの子猫ちゃん、全然見つかりませんよ。
こうなったら、禁じ手を使わせてもらいましょう。
要は、子猫ちゃんの行方を追えば良いのです。
つまり、足跡・匂い・落とし物などなど、役立つ証拠が必ず残っているはずです。
体は大人!頭脳も大人!知識も大人!欲望も大人!
真実はいつも一つ!だと思う!
その名は!迷探偵───