Sand Rose-1
わたしたちの犯した全ての罪は
いつか許されるのだろうか
答えを探して今日も旅を続ける
地平線に血のように真っ赤な太陽が沈んでいく
砂漠の夜は過酷だ
日中は息苦しいほどの熱砂の地獄
けれど、夜は身を刺すような凍える大気が降りてくる
俺は、今夜の寝床に適当な窪地を見つけて馬の歩みを止めた
俺の腕に抱かれていた、異国の花の名を持つ少女が目を覚ます
あの日
依頼された通り、俺はある男を殺した
男は、砂漠の果てにある国の王だった
泣きながら男の骸にすがりつく、その男の妻も切り捨てた
そう、俺は俺の仕事をしただけだ
他に生きる術など知らない
人を殺して飯を食い
人を殺して酒を飲み
人を殺して女を抱く
人を殺して俺は生きる
いつもどおり仕事を終え、返り血を払って剣を鞘に納めた
その時、
俺を見上げて、あいつが笑ったんだ、声を挙げて
たった今、命の尽きた女の腕から滑り落ちた赤ん坊
気付くと俺は、あいつを抱え上げていた