Sand Rose-2
なぜそんなことをしたのだろうか
考える間もなく、あいつを乗せて馬を走らせていた
あれからいくつの季節を共に過ごしてきたのだろう
少女が、もう幾度も口にした言葉を呟く
『大好き いつまでも一緒にいてね』
俺は いつものように瞳を閉じる
空には俺の罪を知っている月と満天の星屑たち
『お前が、もういいと言うまで一緒にいるさ』
『もういいなんて言わないもん。ねえ、どうして私と一緒にいてくれるの』
『さぁ、どうしてだろうなぁ』
穢れのない少女の漆黒の瞳に俺が映る
俺たちは今日も旅をする
この罪が いつか赦されることはあるのだろうか
─ END ─