『ロマナスの末裔』-2
「お父さん、ちょっと詰めて」
慎吾が背もたれの方へ身体を寄せると麻美は湯船に手をかけ、父と相対する恰好で湯船をまたぐ。慎吾の目に若草に隠れた娘の秘部が露になった。
麻美は湯船に両足を入れると、父に背を向けて身体を沈み込ませる。慎吾は脚を開き、自身の身体の間に娘の身体を潜り込ませる。
「ふぅ…」
お湯の温かさで気持ち良さそうな声をあげる麻美。慎吾の手は娘の腹部を包むように組まれている。父の淫茎は娘の腰に触れていた。
二人にとっては昔からのいつもの事だった。
「ねぇ、お父さん」
「何だ?」
「明日のお墓参り、何時に行くの?」
麻美は顔を慎吾に向ける。
「そうだな、夕方に行くか。母さん夕暮れが好きだったから」
「じゃあ花屋さんに予約入れとく。母さんの好きだったホオズキ頼まなきゃ」
そう言うと麻美は湯船から立ち上がる。キュッと締まった尻が慎吾の前で揺れる。お湯は珠のようになり肌を滑り落ちる。
麻美は湯船から出ると、そそくさとバス・ルームを後にする。慎吾も後を追うようにバス・ルームを出た。
脱衣所で二人で身体を拭く。夜間の空気が、お湯で火照った身体を涼ませてくれる。
「お父さん、少し痩せた?」
麻美が慎吾の身体を見て訊いた。
「そうかな?」
「脚と胸元がちょっと…」
そう言われて慎吾は改めて自身の身体を見た。確かに娘が言うように胸板は痩せ、腹周りには脂肪がついて、脚も華奢に思える。
「40近くにもなればこんなモンだろ」
「私なんか見てよ」
麻美は太ももを指差し、〈触ってみて〉と言う。慎吾は差された箇所、太もものつけ根を掴んだ。掌に柔らかい中に弾むような感触が伝わる。ピンク色の秘部を覆う若草に指先が振れた。
「部活のおかげでカチカチに鍛えられちゃって…」
「そのワリには締まって見えないな」
「ひっど!ひとが気にしてる事を」
口元を尖らせる麻美。慎吾は笑っていた。