君の羽根が軽すぎて―ソウヤ編―-5
「…あっ……」
「さ…先に言っていいよ」
「……」
思いっきり息を吸って、ゆっくり吐く。その動作を三回繰り返してから、リコは言った。
「カゼは…なおった」
少しの間があっても
「けど…ガッコー…朝からは行かなかった」
途切れることなく
「トチュウから行くつもりで…」
小さな唇をゆっくり動かし
「…ソウヤに会いたかった」
リコは喋った。
「……別にね」
「…」
「別に気にしないよ」
当たり前だ。
「大丈夫なら、いいんだよ」
この感情は、自分でも変だと思う。
《なぜだか涙が溢れてきそう。嘘じゃないです、本当です。哀しいから?寂しいから?いいえ、違います。あなたを愛しているからです》
羽根の一部が新たに作られるのは、数時間後。