飃の啼く…第8章-6
「わぁっ!さく…」
私は、屹立したそれごしに、飃と目が合う。暗がりでもわかるほどに赤面している。こんな表情、初めて…。
飃と目を合わせたまま、舌でなぞりあげてみる。飃は目をつぶって、力なく頭を横たえた。
「…さくら…やらしい。」
悔しそうに、飃が言う。
「やめる?」
先端に息を吹きかけながら聞いてみる。
「っくぁ…や…止めないで、ほしい…」
「よくできました。」
一気に口に含む。
「んっ…!」
なんだか、不思議な感覚だ。絹のような、ベルベットのような。そして、とても官能的な香りがする。私は、亀裂や、浮き上がった血管に舌を這わせながら、口に入りきらない分を手で包み込んだ。そう考えると、やっぱり大きい。これで、いつも私のことを気持ちよくしてくれてるんだ…そう思うと、うれしいような恥ずかしいようなで、余計気持ちがこもる。
「ぅ…く、あっ…さくら、顔…放せっ」
飃が、苦しそうに言う。
「いいよ、飃…来て」
「ん…、…っ!」
飃は、全身を痙攣させながら果てた。私の口の中では、彼がまだかすかに脈打っていた。
う〜ん…変わった味。そして、匂い。刈ったばかりの芝生の匂いみたい…。
「さくらぁ…」
いつになく弱弱しい声を上げて、飃が起き上が…れずにくずおれる。涙目だ。
「へっへ〜」
勝利のにやけ笑いを浮かべて、わたしは住む時の上に倒れこんだ。
「良かった?」
「良かったなんてもんじゃない。」
飃は素直に言ってくれた。
「気が狂うかと思った。ちゃんと吐き出したか?」
「ん?のんじゃったょ。」
けろりと言った。そんな私の顔を「正気か」とでも言いたげに見る。狗族の世界にフェ…とにかく、こういう行為は無いようだ。
「…なんだか…おかしな気分だ…」
「どんな?」
「とても口では言い表せない。いい気分で、恥ずかしくも有り…何よりお前が愛おしい。」
「じゃあ、最高の気分だね。」
「…そういうことに、なるな。」
そうして、頭をぽんぽんとたたいてくれる。