舞子 〜男の友情とは〜-1
昼休み。
抜けるように青い空。
黄色い太陽。
いつもの屋上。
俺は足を投げ出し、横になる。
「あちぃ…」
目玉焼きの気分。
「舞子とは…付き合わないよ」
傍らに立つセイが、言った。
今日は、その手にパックのいちごミルクを持ってる。
…めずらしいな…
「嘘つけ。いいよ、俺に気ィ遣わなくて」
よっと、起き上がり、セイの手からいちごミルクを取る。
「ぬるい…」
胸焼けしそうに甘い。それがなんだかムカツク。
「…まぁ好きにすりゃいいよ。でも、舞子の“初めて”は俺がもらったからな」
ニヤリと、セイを見る。
セイは涼しい目で俺をチラリと見る。
「舞子の“初めて”は高1の夏だ」
「なっ!?」
マジで?くそーっ!俺が初めてだと思ってたのに――
…根拠はないけど…
だらりと脱力…
「あついな…」
頭を垂らした俺の手から、セイがいちごミルクを取り上げる。
一気に飲んでパックを握り潰す。
ぽいっと、それを放りながら、
「うそだよ」
セイが笑った。
「は?」
何が? どれが?
笑うセイ。
幸せそうに。
こんな顔は初めてみる。
「おい、セイ」
「何だよ」
俺は立ち上がり、セイの肩に手をかける。
「一発殴らせろよ、な?」
「あぁ!?」