遠隔操作LOVE-1
「あっ、あんっ!あんっ・・・んっ!いいっ!もっとぉ・・・奥までぇ・・・。」
「はっ、はっ!ホラ、これが・・いい・・のか・・・。」
「いいの〜!徹さ・・・ん!あうっ!あん、ああっ!も、もぅ、ダメっ・・・いくぅ〜!」
「お、俺もだ・・・ひとみっ。一緒に・・・いこ・・・。」
「あふっ、あああっ、あん、イクっ、イクっ、イっちゃう〜っ!」
都心のオフィス街からは少し離れた駅のラブホ街。いつものように体を重ねあうオトコとオンナ。
オンナの名は福永ひとみ。25歳独身。都内の某企業に転職してもうすぐ一年。オトコの名は滝田徹。45歳妻子有。ひとみの会社の管理職であり、ひとみの直属の上司である。そう、二人は世間で言う不倫関係にあった。
きっかけは、転職したばかりのひとみの研修を、徹が受け持ったところから始まった。社内でも有望視されている徹の指導はすばらしく、その仕事ぶりだけではなく、実年齢よりも若々しい姿、声、そして何より真面目で熱心な人柄にひとみは素直に心惹かれていった。とにかく一緒にいたい一身で、ひとみはアプロ ーチを繰り返し、二人だけで食事に行くような仲までになった頃、お互い本気にはならないような暗黙のルールがあった。
しかし、徹に劣らず、ひとみもまた魅力的な女性であった。清楚な雰囲気ながら、スタイルは抜群によく、明るく機転の利く性格に、その大きな瞳で見つめられれば勘違いしない男はいないほどだ。徹も、そんな魅力に惹かれずにはいられなかった。好意を寄せている男性に求められれば応えるのは当然のこと。ひと みと徹はほどなく男女の関係になっていった。
激しく愛し合ったベッドの上、裸のまま徹はひとみを後ろから抱きしめながら寝転がっていた。ひとみはこの体勢がとても好きだった。愛おしい相手の体温を全身に受け、温かい満たされた気分に思う存分浸れるからだ。
しかし、今日はそんな、ひとみに、徹が突然、衝撃の事実を告げた。
「ひとみ。」
「なあに?」背を向けたまま、ひとみは答える。
「俺、大阪に転勤することになった。」
ひとみは、ガバッと体を起こし、徹に正対して問う。
「ほ・・・んとに?」
「ああ。」と短く答え、視線を伏せる徹。
「どう・・・する・・・の?わたしたち・・・。」震える声で、聞きたくない事実を確認するひとみ。
徹は、困ったような笑みをみせながら言う。
「一緒について来い・・・とは言えないよなぁ・・・。でも、つき合いは続けたいって、わがままかな?」
「ううん。わがままなんかじゃない!私だって別れたくないもんっ!ずっとつき合ってく!」
かぶりを振り、ひとみは徹にしがみつく。そんなひとみの頭をなでながら、徹はさらに続ける。
「そっか。よかった。それは嬉しいな。実は、しばらくは、単身赴任になりそうだから、もしかたら東京にいるより、連絡は取りやすくなるかもな。」
どちらかと言えば楽観的な徹だが、ひとみはそれでも不安を崩せない。
「ホントに、ずっと好きでいてくれる?離れたら、奥さんや他の人のこと好きになっちゃわない?」
「ならないよ。ひとみこそ、大丈夫か?」
「大丈夫だよ!私は徹さんが一番だもん。」
「俺だって、ひとみが一番だよ。」そういって徹は、しがみついてくるひとみを優しく抱きしめた。