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舞子 〜愛する人〜
【その他 恋愛小説】

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舞子 〜仮説と本音〜-1

明と暗
白と黒
愛情と憎悪

対する2つのもの

俺の気持ち

元を辿れば全て同じ1つのものなのに、
2つに分かれてしまえば、どちらか一方しか選べない。

どちらを選ぶ?





〜♪ ♪ ♪〜

この着信音。
特別な1人にだけ、設定してある。

『舞子』

開いた携帯をそのまま閉じる。
なんとなく…鳴り続ける携帯をじっと見つめる。
しばらくすると、音楽が途切れ、辺りはまた静かになる。
俺は携帯を足元に投げ、芝生にごろんと横になった。

もぉ3回目の舞子からの着信。
もぉ3回目の同じ動作。

「雲が…速いな」

横になったまま、目の前に広がる空を見る。
青い空は、すごい速さでやってくる雲たちにどんどん隠されていく――



今日の昼休み以来、何もしたくなくなってしまった。全くヤル気が出なくなって、午後の授業もサボった。

いつも舞子と来るこの公園も、1人で来ると全く別の場所みたいに静かで、淋しく感じる。
いつもの2人の特等席のベンチを眺めながら、1人芝生と戯れる…

―舞子に会いたい―

会って、気持ちを確かめたい。
舞子の気持ちを…

そして伝えたい。
自分の気持ちを…

舞子のコトを一番大切に思う気持ちは変わらないし、今でも一番大好きなのに、舞子が憎くて仕方ないんだ。
頭では…なんとなく1つの仮説が出来上がってしまっていて、それを立証するのが怖い。
認めるのが、怖い。


なぁ、舞子。
飲めないブラックのコーヒーをいつも飲むのは、
雨の匂いが好きなのは、
セイを想ってのコトなのか?

なぁ、舞子。
セイのコトが好きなのか?

俺のコトよりも…?


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