『4階』-1
ある地方都市の総合病院にて
祖父の見舞いに訪れていた若夫婦は
2人の子供ハルカとナオキを連れて東京から自動車で四時間以上移動し、疲労の顔を見せていた。
母「ハルカ。ナオキと1階の売店で飲み物を買ってきてくれる?」
ハルカ「いいけど、ナオキも連れて行くの?」
母「うん。好きなお菓子を買ってきてもいいから、仲良く言ってきて頂戴。」
ハルカ「はーい・・・。」
ハルカは嫌な顔をしつつ、弟のナオキを連れて7階の病室から1階のホールまでエレベータで降りた。
そして、枝上に分かれた道に入り、売店に到着した。
ハルカ「ほらナオキ、お菓子何にするの?」
ナオキ「パンダのマーチがいい」
ハルカは弟のパンダのマーチと頼まれた飲み物を手にすると、自分のお菓子を選ぶのに夢中になっていた。
ハルカが売店のレジに商品を持って勘定を済ませると、ナオキは忽然と姿を消していた。
ハルカ「ナオキ!どこ!? ちょっと一人で出歩かないでよね。もう」
ハルカ「ナオキ!」
ハルカ「ナオキ!!」
ハルカ「ナオキ!!!」
ナオキ「お姉ちゃん」
ハルカ「・・・・・きゃぁぁぁ!」
ナオキが背後からハルカを呼んだ。
ナオキ「お姉ちゃんちょっと来て」
ハルカ「何〜?びっくりしたなーもう」
弟の様子が少しおかしいと思ったハルカは不安気な想いを顔に浮かべながらナオキについていった。
そこ関係者以外立ち入り禁止の4階だった。
ナオキ「こっちこっち」
ハルカは言われるがままにナオキについていった。
廊下は段々暗くなる。