甘辛ニーズ-7
『…ショウちゃんには、男の証が付いているのですか?』
私、変でした。
『え…えっ、あの……はい…』
『いいえ、嘘ですね。あなたには付いていません』
私、変態でした。
『そ…そんな。ちゃんと…あります…』
『では、確かめさせてもらいます』
私、危なかったです。
『あっ……ひぇっ!?』
『むむ……本当に付いてる…いや、こんな子が男性だなんてあり得ません!よって切り落とさせてもらいます!』
私、どーにかなってました。
『ひいぃっ!!?』
『切られたくないのならば!今すぐ真の漢になると言いなさい!』
反省は、していません。
『ま…真のオトコになります!なりますからっ!』
『次!私のことを呼び捨てで[凪]と言ってみて下さい!』
後悔も、していません。
『…な、な、凪…さ…………凪!』
『…OKです。ショウちゃん』
私はショウちゃんに、自分の全てを話しました。
全てを、です。
代わりにショウちゃんも自分の全てを話してくれました。
○○日からいじめられてるとか、両親は早くに他界してしまったとか、初めての体験は……いえ、最後のは嘘です。
『ね、知ってますか?』
『…何を?』
『いじめられっ子って、一人でも同等の仲間を持つと、弱かった時の15倍は強くなれるんですよ』
『15倍……うん、そうだね』
『まるでどこかの金髪超戦士みたいに、どばばばば、どばーんって』
『かめはめ……って?』
『はい。かめはめです』
『そんなに強かったら、人生をもっと楽しめたのにな…』
『…なに言ってるんですか』
『……』
『きっと、遅くはありません。今からでも楽しめます』
『そう…かな』
『そうです。……それじゃ、手始めにお姉さんと楽しいことを…』
『……うっ…く…』
『しましょうか…てええ!?い、いきなり泣き出しちゃって、どうしました!?わ、私、なんか、悪いことしました!?え、えと、少々過激すぎたのかも…』
『…ありがとう…』
それから私は、なんとか先生に自分自身の存在をアピールして、またクラスの中に融け込むことができました。
ショウちゃんは、私の協力を受けつつ、自分の力で修復することができた様です。