―秘密の恋―-1
私、深山楓は近くの公立高校に通う高2の女の子。
私の周りの友達は学校の先輩や人気アイドルを見て格好良いって言うけど私が格好良いと思う人は一人しかいない・・・
でもその人の事を皆には言えない・・・
私の大好きで格好良いと思う人は・・・
血の繋がらない兄
深山竜司です。
この思いは誰にも伝えていない・・・
お兄ちゃんとの関係が壊れるのが恐いから・・・
「おーい楓。朝だぞー!」
毎朝、朝に弱い楓を竜司が起こしにやってくる。
「ほら、楓起きろ〜!」
ベットで丸くなっている楓をゆさゆさと揺する。
しばらく揺すると、
「んー・・・」
と、間抜けな声を出し体を起こす楓。
「おはよう・・・お兄ちゃん・・・」
眠い目を擦りながら言う。
「おはよう。楓。」
頭に手をポンと乗せ髪をクシャクシャとする。
それだけで楓にとってドキっとする。
「早くしないと、学校遅刻するぞ?」
「うん・・・着替えたらすぐ下行くね・・・ふぁあ・・・」
欠伸をする楓を見て竜司は
「二度寝したら起こしてやんないからな。」
そう言うと楓の部屋を出ていく。竜司が部屋を出ていくと、楓はベットから出て、制服に着替えた。
階段を降りてリビングに行くと母親がキッチンに、父親と竜司がテーブルについていた。
「おはよう。お父さん、お母さん。」
「おはよう。楓。あなたも竜司を見習って早く起きなさいよ。」
「やめなよ母さん。楓が拗ねるから。」
「ブーだ!」
「ほら、拗ねた。」
楓の両親と竜司は血が繋がらない親子だ。もちろん楓とも・・・
楓は昔から竜司が好きで2才上の兄の後ろをよく、くっついて歩いていた。
楓はこんな二人を見てお兄ちゃんの方が本当は親子なんじゃないかと思ってしまう。
「楓、竜司。今日お母さんとお父さん用事があって帰ってこれないから留守番お願いしていい?」
「別にいいけど?」
「楓は?」
「うん。いいよー!」
そんな会話をしながら、朝食をとり楓は学校へ向かった。
授業が終わり学校から帰ってくると、竜司がリビングのソファーで寝ていた。
(お兄ちゃん顔綺麗だな・・・大学でも、モテるんだろうな・・・)
そんな事を思いながら寝顔を眺めていた。
(キスしても大丈夫だよね・・・)
楓は竜司の唇に軽く触れるだけのキスをした。
唇を離すと楓は自分の部屋に向かって着替えた。
着替えてリビングに行くと竜司が起きていた。
「なんだ楓帰って来てたのか?」
「うん、今さっき帰ってきたの」
「そっか。お帰り。楓」
「うん、ただいまお兄ちゃん。」
「お兄ちゃんお腹空いたでしょ?ご飯作るね?」「あぁ、手伝うよ」
「うん!ありがとう。お兄ちゃん」
二人で仲良くご飯を作った。楓にとって竜司とすごす時間は何より幸せだった・・・
「「いただきまーす」」
声をそろえて言うと仲良く食べ始める。
しばらく他愛のない話をしながら晩ご飯食べた。
晩ご飯を食べ終え食器を楓が洗っていると、
「楓・・・話があるんだけどいいか?」
「なーに?お兄ちゃん?」
そのあとの竜司の言葉に楓は耳を疑った・・・