『彼女が、』-3
「あのさ・・・、好きな人、いる?」
アホかと思った。
でも、どうせ告白するんだから、この際関係無い。
「え?!突然だな〜・・・」
「ゴメン、自分でもこれはキツイかな〜、とは思ったんだけどさ・・。」
絶対にヘンに思われたな、うん。
それでも彼女は答えてくれた。
「今は特にいないかな。」
ボクの心に、期待と不安が入り混じる。
「そっかぁ・・・。」
「どうしたの?なんか変だよ??」
そんな事は分かってる。
・・・でも、そうならずにはいられない。
ボクは目を閉じた。
彼女の姿を思い浮かべる。
ちょっとおどけたような笑顔をした君が、
ボクを見る。
それを見るとボクは
君を
ギュッ、と
抱きしめたくなるんだ・・・。
「また黙っちゃった。」
大きなため息をついて、目を開けた。
「あのさ・・・
好きです、あなたが。