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箱庭
【ファンタジー 官能小説】

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箱庭-7

「この娘で何件目だ?」

「十件目までは数えていたけど、ここまで来るとな」


「確認されているだけで17件目です」

「ただ寝続けるだけで健康そのもの。脳波も穏やかな眠りを表示したままだ」

「眠ったまま目を覚まさない奇病」

「病気なのか?」

「複数症例があると感染症を疑いたいな」

「接触した俺達に異変は無いのにか?」

「接触以外にルートはいくらでもある」

「兎に角、この娘の日常を調査しましょう」

「17人の日常調査…。探偵を雇いたいな」

「費用は自腹ですよ」

「最近寝たまま覚めない患者が病院に集められてるという都市伝説があるらしいが知ってたか?」

「いや?ネットで調べてみるか?」

「そんなものまで調べないとなるとますます探偵が欲しいな…」

病室から出て行く医者と看護士達

その部屋には少女が生きたまま覚めない眠りについていた

枕元には花が生けられた花瓶やクラスメイトが送った千羽鶴が飾られていた

それに埋もれるように家族が気を利かせて持ってきてくれた例の箱が置かれていた

精神科などの先生が見たらその箱が作った人の心理状況を表す箱庭でこの娘の願望を見抜けただろうが、それに気付く医者はここには居なかった

居たとしても症例に関係ないと患者のプライベートを守るため自分の胸とカルテに収めただろう

(ああ…、もっと私をメチャメチャに犯して…。もっと…もっと…)



END


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