投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

年上の事情。
【その他 恋愛小説】

年上の事情。の最初へ 年上の事情。 7 年上の事情。 9 年上の事情。の最後へ

年上の事情。‐2-2

「先輩、あれから全然好きな人いないんですか?」

「ゴホッ!…っ何?急に」
急な質問にあたしは飲んでいたコーヒーでむせてしまった。

「だってぇ‥どれくらいですっけ?‥片山さんと別れてから‥」

久しぶりに聞いたな、その名前…

「あー‥。1年‥半くらいかな」

「あたし、心配してるんですよー。あれから先輩仕事頑張りすぎなんじゃないかって‥」

「なーに?あたしが仕事、頑張っちゃいけないの?」
あたしは笑って答えた。
ちょっと頬がぴくぴく動いた。



片山――。あたしが前に付き合っていた男の名前である。

あたしよりも7歳上。同じ会社の先輩だった。片山の支社への異動に伴い、あたしたちは別れた。

あれから1年半――。
「はやいなぁ‥」
あたしは呟いた。


「先輩に‥早くいい人できるといいなぁ」

「あたしの心配はいいから、香ちゃんは自分のことを頑張りな〜」

「はーい。
あ。あたし昨日思ったんですけど‥
祝さんは、絶対鳴海くんが好きですよね」

お。香ちゃんも思ってたか!
あたし達の会話はいつもこんな感じである。



次の日――――‥

こんなにも早い展開があるものだろうか。


あまりの集中力のなさにどうしたものかと、あたしと香ちゃんは祝さやかをお昼に誘ったのである。

「その元気のない原因は何?」
あたしはストレートに聞いた。

朝から祝さんはボーッとして仕事が全然手に付いてなかったのだ。


「…昨日、鳴海くんに告ったんです」

はぁ?!

はやいな‥

あたしと香ちゃんは顔を見合わせた。

「歓迎会の時に家まで送ってもらって迷惑かけたから…お礼しようと思って…」
祝さんは続ける。


あたし達が彼女は鳴海くんを好きに違いないと思った歓迎会で、彼女は酔っ払い一人で立っていられないほどになったのだ。


年上の事情。の最初へ 年上の事情。 7 年上の事情。 9 年上の事情。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前