刃に心
《第24話・忍者探偵忍足疾風の事件簿〜お調子者を殺したのは誰か?
次々と明らかになる友の暗い心。
まさか犯人はこの中にいるのか?
果たして疾風は友を疑えるのか?
『湯煙温泉彼方殺人、
尚、今回のタイトルは本編と一切関係ありません事件』》-10
「いてこますぞ、餓鬼ァ!わいの前でデカい面しおって!
許さへんぞ!口ん中、手ぇ突っ込んで、奥歯ガタガタ言わしたるでェ!」
カーブに差し掛かる度に左右から凄まじいGが襲う。
「ひにゃあああ…」
「のわっ!」
「お、落ち着け七兄!」
「は、疾風ぇ〜」
「うぇ…俺…酔った…」
「うひゃあー!ぐるぐる…ぐるぐるするッスよ〜」
「………」
「おぉ」
「わぉ」
「くすくす♪」
「あぁああ〜…」
蛇のようにうねる山道をバスはアクセル全開で走っていく。
行き着く先は温泉か、それともあの世か。
いずれにせよ、今の車内が地獄であることは確かだった。
続く…