僕らの日々は。 〜一か八か。〜-6
翌日、月曜日。
今は登校中だ。
あの後カレーは一葉が責任をもって捨ててきたらしい。
目が覚めたとき、一葉は目を真っ赤にして泣いていた。その顔が最初に目に入って、……もう怒る気なんて無くなっていた。
「今度またちゃんとした誕生祝いをあげるわ」
「いーよ。祝ってもらうだけで十分嬉しいって」
そういって笑う。
形はどうあれ、一葉が僕の為にわざわざ何かをしてくれた。
それだけで、十分だ。
「ほら、急ごう。遅刻する」
「…そうね。行きましょ!」
いつもより、少しだけ上機嫌で、僕は一葉と歩いて行く。
×××××××××××
数日後。
春風母と一葉母が話していた。
「…そういえば、最近そこのゴミ捨て場でカラス見ないわねぇ」
「何か一昨日ね、そこでゴミを漁ってたカラスがたくさん倒れていたみたいよ?」
「あらまぁ。……悪いモノでも食べたのかしら?」
「さぁ?まぁ、何にしてもカラスが減って助かったわ」
「そうねぇ♪」
『一か八か。』完