怪談話CASE:FINAL 『水色のぬいぐるみ』-3
「もしもし!? 香苗! 今から家に来てくれない!? 変なヤツが出たのよ…!」
「そんな慌てなくても、今行くから。もしかしたら前拾ったぬいぐるみが原因かも知れないから、塩水かけときなさい。気休めにはなるかもしれないし」
「わかったから…早く来て…」
塩水をかけようと、取ったはずのぬいぐるみを探す。
あれ? 確実に押し入れから取ったはず…
なのに……
なんで……
「きゃあああああッ!!!」
悲鳴を上げながらぬいぐるみを探す。
見つけなきゃ。
見つけなきゃ。
見つけなきゃ!!
最後に探した浴室。
水に浮かぶように、ぬいぐるみはポツンと存在した。
…あとは…塩水をかけるだけ…
「早く…早く…」
テーブルにぬいぐるみを置いて、塩水をコップ一杯作った。
それを持って振り向くと。
水色のぬいぐるみが
白く長い爪を
大きく振りかざして
こちらへ飛んで
赤黒く汚れた水色のぬいぐるみは、次の獲物を狙うベく、歩き出した。
fin.