幻影-1
空の大きさに感動しなくなったのは、いつからだろう
夕立が来るたびにわくわくしていた気持ちを無くしたのは、いつからだろう
明日が来るのを楽しみに思わなくなったのは、いつからだろう
自分の過去が眩しすぎて、幻影ばかりを追いかけていた
少しずつ、感情を剥き出しにするのを避けるようになった
みんなは大人になったとか、落ち着いたとか口々に言う
違うんだよ
本当の俺は……
そう考えて口をつぐむ
昔の俺と今の俺、どっちが輝いてるかな
いや、聞かなくたって自分でもわかっている
空を見上げよう
何度でも
あの気持ちを取り戻すまで
夏が来る
空はもっと青くなる
空はもっと眩しくなる
さぁ、もう一回創ろうか
あの頃に負けないような思い出を
見上げた空はどこまでも青く、眩しかった