reality ability‐第3話‐東の森、holy forest‐-1
‐“聖なる森”へと続く平原‐
ホワイトタウンとは違い、平原だった。辺りは見回しが良かった。敵は居ないようだ。まだ、センターサークルとはあんまり離れてないようだ。少し遠いが望遠鏡があれば見えそうだった。
「‥‥によ!?私は!!皇の事を思って言っただけなのに!」
‥‥言うまでもなく織音だ。しかも、怒っていた‥‥かなり。
「そこ!!うるさい!!」
‥‥‥‥‥‥
「ホントに、皇の心が読めないのは辛いわね〜。何を考えているのか、さっぱり解らないわ。」
‥‥‥
「いいもん。‥‥私にだって考えがあるんだからね。」
織音の顔が次第に変わっていく。‥‥皇希が可哀想に思えてきた。その詳細は次の話で凰輝が語ってくれるだろう。
「♪〜♪〜」
‥‥どうやら、テンションが高くなったらしい。織音は鼻歌を歌い始めた。しかも、何なのか解らない歌を‥‥
というか、敵が居ないのが珍しい事だ。それほど腕に自信があるのか、手下では頼り無いのかのどちらかであろう。
「♪♪」
依然として織音は絶好調のようだ。最近は絶好調が無かったので、その反動なのか歩きに軽快だ。‥‥螺樹にとってはこの行動こそが、いい迷惑だろうが‥‥
数十分後、木々が生い茂ってきた。どうやら、“聖なる森”の入り口が近いらしい。ホワイトタウンとは違って近かった。
「♪♪♪」
やはり、絶好調のままの織音だった。どこまで続くのやら‥‥
「♪♪‥‥‥‥何よ?せっかく調子が良いのに邪魔しないでほしいわ!」
‥‥よく解らない鼻歌を歌ってた織音は急に身構える。もちろん、双剣を素早く出した。
すると、奥の方から手下らしき“神”が出てくる。数十名ほどの手下だった。やはり、名前は無い。
「いらないわよ。雑魚キャラに‥‥」
『‥‥‥』
‥‥‥‥‥
‥‥手下らしき神たちは武器はもちろん、祐や結の“禁断詠唱”の紋様ようなモノが身体中に描かれていた。‥‥雑魚の強化版といったどころか。
「織音様?悪いですが、我々の主‥“カオス様”の願いの為に一回死んで貰います!!」
手下が言う。だが、性格の豹変は見られなかった‥‥