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fantasy ability
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reality ability‐第3話‐東の森、holy forest‐-8

「‥‥‥。‥‥ウォーターミスト。」

詠唱が終わった時には火は跡形も無く消えていた。‥‥一瞬だった。火は水分量が多い霧によって消されたのだ。

「な、何なのよ!一体!?」
「幻想の力は本来、私たちには無かった力よ。」
「なっ!?」
「貴女に言っても無駄ね。」

意味が解らなかった。幻想の力は“神”ですら使えなかったらしい。しかし、現に織音は使っている。一体、何が真実で、その中に隠された事とは?

「う、嘘よ!だって、私や貴女、“神”は使っているじゃない!」

そう、神城家の優たちは修得していないが使える事は使えるらしい。

「‥‥‥」

織音は無言になり、イメージマテリアライズ‥‥幻想具現化を消した。

「何をするつもり?」

突然の織音の行動に驚きもせずに、冷静に質問した。

「“彼”の想いに裏切るつもりは無い。だから、私はここで死んでもいいと思っているわ。もし、貴女がそれを解いて、“記憶の欠片”を返してもらえたらいいけどね。」

織音は真面目に言う。その瞳には嘘、偽りは決してなく、その信念は鋭く強かった。



「‥‥‥私に殺されても文句はない?」
「ないわ。」

那奈夜は少し考え言う。そして、それに即答で返す織音。

「なら!死んでもらうわ!!」
「‥‥‥」

那奈夜は剣を振る。織音は死を覚悟の上で目を閉じる。

〈ヒュン!‥‥〉





‥‥振りきられた剣は織音には当たらなかった。それもそうである。那奈夜は当てる気は無いらしく、軌道はあからさまに違う所に向かっていたのだ。



「‥‥‥」
「‥‥ふん!‥‥我が封印されし“闇の力”よ!再度、封印されよ!」

織音は黙って目を開ける。その顔は笑顔にも見えるが、優しさを纏う真剣な顔にも見えた為、よく解らなかった。その顔で那奈夜を無言で見つめる。
そして、那奈夜は那奈夜で何故か、“禁断詠唱”の効果を解いた。戦況的には完全に有利なのに‥‥。織音が那奈夜の心を動かしたのだろうか?それとも‥‥?
そして、正式な解き方なのか“悪影響”が無かった。

「ありがとう‥‥」

織音は当然、その行動に対して礼を言う。

「‥‥別に貴女のためじゃないわよ。カオス様は突然‥変わってしまった。」

突然、真相を話す那奈夜。彼女の背中は少し輝いていた。そう、光みたいに‥‥。


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