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fantasy ability
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reality ability‐第3話‐東の森、holy forest‐-3

「はぁはぁ、‥織音様。我々は貴女には‥はぁはぁ‥従っていました。‥‥はぁはぁ、し、しかし‥‥」

今にも息を引き取りそうな手下を支えていながらも、織音は黙って聞いていた。だが、今の言葉で静かに喋り始めた。

「‥‥解っているわ。貴方たちは、‥今はゆっくり眠りなさい。」
「‥‥はい。」

手下は微かな微笑みの顔で目を閉じた。まるで、永遠の安息に眠るかように‥‥

「‥‥‥」

織音はその様子を皇希みたいに見詰めていた。涙目になっていた‥‥

《‥‥馬鹿者たち。私が悪かったのに‥‥。これじゃあ、私も他人の事も言えないわね。》

織音が罪神になった時、螺樹に全てを任せた。その為、治安が悪くなってしまった。だから、あのような出来事が起こってしまった訳である。
当然であると思う。いくら“神”であっても、欲や情があれば、変わらずにはいられられない。‥‥不変は限りなく不可能に近いが、変わらない方も後悔するだろう。
凰輝はこの事を知ってはいるが、皇希には話さなかった。織音に対する思いやりだろうか?

《しかし、“禁断詠唱”に悪影響があるなんて‥‥お父様は無害だったわ。》

‥‥司義莉は影響を受けなかったらしい。司義莉と皇希では何が違うのだろうか?

《‥‥!!‥‥まさか!?皇は“禁断詠唱”を生身で使っていたわ!“あの力”も!?どうやって?‥‥“幻想の力”さえも使っているし‥‥“神理”の原則すら解らない筈なのに‥‥‥‥》

・神理(しんり)・


=原則は詞、属性、“神”である証明[証明が出来れば何でも可。]が最低的に必要である。又、証明は詞に入れる必要は無い。
優が皇希に“力”と言ったが、それは間違いである。優はその事を知らなかった。修行中の身だったので仕方ない事である。
そして、織音みたいに無詠唱は心による幻想を、どれだけ現実的に想像出来るかで決まる。もちろん、出来なければ発動しない。=


それはそうと、皇希はほぼ完全に“力”を使いこなしているが、織音は“恐怖”として受け入れていた。“真実”を知っているとはいえ、この織音が恐怖に感じる皇希‥‥。彼の望みとは?

「‥‥‥。私は“彼”に信頼されている。真剣にやらないとこの戦いを‥‥」

‥‥織音は気合いを入れ直したようだ。深い深い深呼吸をし、歩き始めた。真剣な顔でゆっくりと‥‥
そして、その様子を始めから見ていた人影は、微かな笑みを浮かべながら消えた。


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