恋人達の悩み 3 〜後輩〜-11
「失敗したなぁ。美弥の事だから、足だって面白いくらいに乱れてくれるはずなのに……今まで手を付けてなかったなんて」
龍之介に止める気はないと知り、美弥は観念したらしい。
騒いでいた口を閉じ、抵抗を止める。
「くすぐったいかも知れないけど……少し、我慢してて」
再び足の甲にキスしてから、龍之介は右足の親指を口に含んだ。
「んっ!」
ぬめっとした感触に、美弥は思わず声を出す。
「あっ……ん、あぅ……やぁ……変、だよぉ……」
くすぐったいようなむず痒いような、それでいてどこか気持ちいいような、不思議な感覚。
体をよじっていると、人差し指にもぬめぬめした感触が広がった。
どうやら足指を一本ずつ舐める気らしい。
「り、りゅう……!」
あまりにも奇妙な感覚が体中に広がり、美弥はこそばゆくて体をよじる。
その感覚は龍之介が右足指を一本ずつ丁寧に舐めしゃぶった後、足の裏を舐め始めた時に豹変した。
「あっ……ふあぁ!?」
悲鳴を上げる美弥の体にビクリ!と痙攣が走る。
唇や性器のように皮膚が粘膜に移行する場所と神経が集中している場所とは一般に性感帯とされており、掌や足の裏には神経が集中している。
美弥にとっては、かなり効くポイントなのだ。
半年も付き合っていながらそこに気がつかないでいたのは何とも間抜けな話だと、龍之介は足への愛撫を続けながら思考する。
「い……やぁ!駄目!な、んか変……うふぅ!」
拒む言葉とは裏腹に、美弥の秘所は蜜をドロドロと滴らせていた。
「んく、あ、ふうぅ……!や、ぅあ、っは……!」
美弥はびくびくと体を痙攣させ、敏感に反応する。
しかし……弛緩していた筋肉が次第に緊張し始め、美弥の体が自由を取り戻して四肢をじたばた動かし始めると、龍之介は美弥のほっそりした足首を掴んで動きを封じた。
じたばた暴れられた揚げ句、鼻を蹴られては堪らない。
龍之介は足を引き寄せ、土踏まずをべろりと舐め上げる。
「きゃーっ!?」
ベッドを鷲掴み、美弥はじたばた暴れた。
「……そんなに嫌?」
感じてはいるがそれ以上に暴れている美弥の態度に根負けし、龍之介は尋ねる。
「嫌じゃないけどっ……足、なんてっ……恥ずかしいよおっ!」
「……よし。じゃあ恥ずかしくない方にしよう」
言うが早いか龍之介は鼠蹊部に手をかけ、美弥の秘部に顔を埋めた。
「っひ……!」
唇で突起を甘噛みされ、美弥はびくっとのけ反る。
「足が恥ずかしいなら、こっちは平気でしょ?」
「ち……違うぅっ!!」
どちらにしろ、恥ずかしい事に変わりはない。
「うきゃ!!あ、ふぁ、んああっ!!」
肉芽を再び甘噛みされ、美弥は全身を痙攣させた。
「や、だ、駄目えええっ!!」
ずりゅっ……
龍之介の指が、美弥の体内へ侵入する。
中で折り曲がった指が、Gスポットを探り当てた。
「ーーーーーっっ!!」
ぐりぐりっと刺激された瞬間に美弥は龍之介の顔へ大量の蜜汁を吐きかけ、三度目の快楽を極める。
「うぷっ……」
顔をべとべとにした愛蜜を指で拭い取り、舐め取って、龍之介は処置をした。
「さすがに三度もイけば満足か……」
ぐったりした美弥に背を向け、龍之介は自らの勃起に触れる。
痛いくらいに背伸びして『美弥を抱きたい』と要求する器官を、龍之介は手早く慰め始めた。
恍惚の境地を彷徨している美弥の意識が現実に引き戻される前に射精してしまわないと、まずい事態になる。
「っう……く!」
掌の中へ大量の子種をぶちまけ、龍之介は安堵した。
「りゅう……」
まるでタイミングを見計らったかのように声をかけられ、龍之介はびくっと飛び上がる。
「あ……起きた?」
掌の精液を何とかしようとしてあたふたしながら、龍之介は振り向いた。
発情が治まったらしい美弥は、龍之介といちゃいちゃすべく身を擦り寄せて来る。
「あ〜……ちょっと待ってて」
龍之介は、ティッシュボックスに手を伸ばした。
掌の残滓をティッシュで拭い取り、龍之介は美弥を抱き寄せる。
「ん〜……」
美弥はごろごろと体を擦り寄せて来た。
そんな美弥が、龍之介は可愛くて仕方がない。
付き合い始めた頃はその想いは時間経過と共に薄まるかと思っていたが、半年以上経っても想いは薄まるどころかますます強く深くなっている。
伊藤美弥という人物を知れば知る程に溺れていくのが、少し怖い気もした。
「美弥……」
美弥は龍之介の両頬に手を添え、目を閉じて唇を重ねる。
「ん……」