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レン
【二次創作 官能小説】

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レン-21

『トラックジャッカーは田端常務の差し金だった。奴は組織を裏切っていたんだ。』
そして俺は田端の裏切りを全て話した。
「なるほど。君の話に嘘があるとは思えない、だが証拠が必要だ。社長や他の重役達を納得させられるようなね。」
『生憎、田端は俺の手で始末させてもらった。裏切り者を生かしておく必要はないだろう。』
俺は嘘をついた。田端の裏切りを知ったフールはきっと田端に報復を行おうとするだろう。フールに余計な事をさせない為にも、田端には死んだ事になってもらう。
「君の言う通りだ。俺が君でも同じ事を選んだ。」
フールは嘲笑うように言った。どうにもいけ好かない奴だ。
『ならば自分で確かめる事だ。これから、運び屋の中でもずば抜けて優秀な人間にアゲハへの納品をさせる。お前もそれに同行し、トラックジャッカー達と直接接触すればいい。』
俺は一気に吐き捨てた。
「面白い事を言うね。わかった、君の言う通りにしてみよう。」
『運び屋の名前はレイラ。最高の腕と度胸、そして美貌を持ち合わせた女だ。すぐに倉庫へ向かえ、彼女も向かわせる。』
彼女なら、きっと全てをうまくやってくれるだろう。
「楽しみだね。但し、その運び屋に田端常務の事は伏せておいてもらおうか。多大な影響力を持った重役の一人が、会社を裏切っていたとなれば社内の風紀に関わるんでね。」
犯罪組織に風紀も何もあった物か、そう思いながらも俺は電話を切った。

そして俺は、続け様に彼女に電話を入れた。
彼女と別れてから、二時間の時間が経っていた。
「Tururu…、蓮?!」
『うまくいった。これからは重役会の招集を待つばかりだ。』
「重役会?」
彼女にも重役会の事は話しておかなければならないだろう。
『あぁ、会社の重役に関わる何か重要な事が起きた時、部長以上の幹部が一同に会すのさ。俺が入社してからは一度も開かれた事はないが、なにせ今回は重役中の重役、常務がラリって発見されるんだ。ほぼ間違いなく招集がかかる。』


俺はフールに言われた通り、常務の裏切りについてだけは伏せておいた。
だが当然彼女は、田端がもう組織の仕事につけない事は知っている。
そして今回の納品で、彼女もすぐに田端の裏切りの事実を知る事になるだろう。
「けれど常務を薬浸けにしたのが私達とバレれば、あなたは殺されに行くようなものよ?」
『大丈夫。常務の部下は俺の友達が預ってくれている。会社とは関係ない友達がね。』
「そう、ならいいわ。」
『レイラ、その重役会に君も同席して欲しい。』
「私はただの契約社員でしょ?」
彼女は俺の意図がわからない、そう言いたげだ。
INCは現在、重役会の開かれている最中の摘発を予定している。
彼女も重役会の存在を知れば、きっと全ての重役の身柄を一気に確保するチャンスとなる重役会での摘発を考えるだろう。
そうなれば、その現場には彼女もいなくてはならない。
『君には重役になる能力がある。女とは思えない度胸、それに頭もキレる。銃の扱いも訓練次第で随分様になるだろう。ただの社員じゃもったいない。』
「他の重役達に推薦してくれるって事?」
『そう取ってもらってかまわない。』
真意とは違った言葉だが、嘘ではない言葉だった。
「わかったわ。重役会が招集されるまではどうしたらいい?」
『アゲハへの納品を頼む。築地の倉庫に行けば用意は出来ている。』
「了解!今回あなたは一緒じゃないのね。」
彼女は不意に嬉しい事を言ってくれた。
『淋しいか?今回は俺程ではないが、優秀な人間を付けている。いい男だ。ただ、寝るなよ?』
そう、フールの事だ。奴には色々な意味で注意してもらわなければならない。
「バカ。」
彼女はそう言って電話を切った。


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