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レン
【二次創作 官能小説】

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レン-20

「まさかお前が女を捜査に引き込むとはな。」
ここは駐在官事務所の応接室。そこに現れたライファーは開口一番そう言った。
彼は国連の多国籍軍上がりのアメリカ人だ。
スキンヘッドの頭とダブルのスーツに無理矢理押し込んだでかい図体は、軍を徐隊した今でも屈強な戦士といった印象を与える。
『彼女を日本麻取に埋もれさせておくのはもったいない気がしてね。』
「惚れてるか?」
ライファーは無表情に言った。
『それはこれから次第だ。重役会が済む頃には、その答えも出るだろう。』
俺はジャケットから煙草を取り出し、ライターから火を移す。
「重役会か。組織の主要な幹部達を抑えるのは重役会として、それ以前の密造地特定は可能か?」
その問いに、俺は答えとなる言葉を言わなかった。
『なぁライファー、俺は“常務”になるべきだと思うか?』
「それで得られる情報が少しでも増えるのならな。」
ライファーはスーツから葉巻の納められたケースを出し、更にケースから葉巻を一本取り出す。
『ならば田端には、失態を侵して死んだ事になってもらうのが得策だな。』
葉巻の先端をナイフで切り落とすライファーを見ながら俺は言った。
「田端がトラックジャッカーと繋がっていたと組織に報告し、代わりにお前が常務に?」
ライファーはゆっくりとそう言い、火を着けた葉巻を口に運ぶ。
『ああ。』
「だがお前が常務になってから重役会が開かれるまで、時間はないぞ。」
確かにそうだ。常務の失態を組織に報告しなければ俺が常務になる事はない。
だがそれと同時に、重役会が開かれるまでのカウントダウンも始まるだろう。
重役の欠員からどれほどの時間で重役会が開かれるからわからない。だが俺に与えられる時間は、そう長くはないだろう。
「まぁお前の好きにすればいい。捜査の事も、女の事も。」
ライファーはそう言うと部屋を後にした。
俺はそのまま煙草の香りを楽しみ、田端とその部下に対する尋問の終りを待った。

尋問を終えたバックアップエージェントが俺の元に現れたのは、それから一時間後の事だった。
田端たちが大した情報を握っていなかった事に苛立った様子の彼は、俺に田端の主要な荷物を展げて見せた。
「携帯電話、オートマグ、葉巻にライター、鍵束、出てきた物はこの程度です。それと、トラックジャッカーはやはり田端の仕向けたものでした。組織からの報酬では飽き足らず、自らの懐を肥やす為にダークネスの横流しを計画したと田端は吐きました。」
流暢なキングスイングリッシュを話すこの男は、俺が日本にやって来てからずっとバックアップを務めてくれている。
コードネームを“ケイ”と言う。
『そうか。携帯と鍵だけ預かろう。』
俺はそれらをジャケットにしまい、部屋を後にした。
「今後、どうなさるんです?」
後ろからケイが言った。
『限られた時間の中で、俺に出来る全てをするだけさ。』


俺は自分の車に乗り込むと、携帯を手にした。
「Turururu…Trururu…Turu、はい。」
『蓮だ、報告がある。』
電話の相手は警備・警護部門を担当し、社長の秘書的な役割も担っているフールだ。
「君から連絡なんて、珍しい事もあるもんだね。」
感情を一切伺わせない声が応えた。
フールという男は謎に包まれた男だ。警備の人間でありながら社長の秘書をこなし、最近では病気によって伏せりがちな社長の代わりに組織の一切を取り仕切っている。


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